1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

交際10年の“男性同士カップル”が2人で家を買ったワケ「子供ができないからこそ、あえてかなりの金額を家に注ぎました」

日刊SPA! / 2024年5月10日 15時59分

「工務店との打ち合わせや近所への挨拶周りなど、ふたりで行くことによってカミングアウトせずとも関係性を察してくれます。だから僕たちは絶対にふたりで行動していました。公証役場などは平日の日中にしか開いていないので、お互いの予定を合わせるのが大変でしたけどね。最初のうちは周りの目が気になったり、恥ずかしいなと思ったりしましたが、場数を踏めば慣れましたよ」

ふたりが購入したのは、駅から近くて利便性がよく、市内にアクセスしやすい土地。老いたときのことを考え、病院の近さも意識した。家づくりにも、同性カップルならではのこだわりを反映している。

「僕たちは子供を持てないので、老後の面倒を見てくれる人がいません。なので、“歳を取ってからも住みやすい家”を目指しました。寝室や水回りは1階にまとめて、階段の上り下りがしんどくなっても何とか生活できるようにしたり。玄関には靴を脱げるベンチを設けました。子供部屋を作らなくていい分スペースが空くので、ベランダはバーベキューなどが楽しめるようにめちゃくちゃ広くしましたね」

 一般的な家庭では難しい間取りにできるのは、同性カップルならではの強みかもしれない。子供を持てない同性カップルだからこそ、地域との付き合いも大事にしているそうだ。

◆同性カップルの“ご近所づきあい”で大事なことは?

「周りの同性カップルからも『ご近所づきあいはどうするの?』とよく質問されます。一軒家だと表札に違う名字がふたつ並ぶので、ふたりで住んでいると分かるんですよね。地域との関わりを避けるLGBTQも多いですが、子供を持てない身だからこそ、地域コミュニケーションが大切だと思うんです。

子供がいれば子育て世代とつながりを持てるけど、そうでない僕らは隣近所との関係性が絶えてしまう。年寄りになったときに孤立しないためにも、自治会に入って積極的に活動に参加するつもりです」

自分たちが地域のためにできることを手伝って還元していけば、もし何か困ったときに手を差し伸べてくれる人がいるかもしれない。「それを特別に望んでいるわけではないけど」と前置きしつつ、ふたりは笑って答えてくれた。

とはいえ、LGBTQに嫌悪感を抱いたり理解のない人たちがいるのも現実だ。だからこそ、挨拶周りなどを「ふたりで行う」ことが大事なのだと彼らは言う。

「今のところ、ご近所づきあいで嫌な思いをしたことはないです。でも家を買うにあたってさまざまなところに出向いて、いろんな方と接する中で、『男同士で住む』という考えがない方がいらっしゃると分かりました。差別するという意識はなく、そもそも同性同士で付き合うという考えがないというか。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください