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交際10年の“男性同士カップル”が2人で家を買ったワケ「子供ができないからこそ、あえてかなりの金額を家に注ぎました」

日刊SPA! / 2024年5月10日 15時59分

やはり年配の方に多いと感じていますが、ジェネレーションギャップや、“理解できないものに対する怖さ”もあるのかもしれません。ふたりで時間をかけて交流して打ち解けていくことで、分かってもらえたらいいなと思っています」

何か言われても嫌な顔をせず、丁寧に対応する。偏見を向けられやすいからこそ、周りへの気遣いを丁寧に行っているそうだ。筆者自身、彼らの話を聞いていて、ふたりの人柄の良さや、周囲への配慮を徹底していることが伝わってきた。

「親からの援助が望める人は、親にも絶対に説明しておいたほうがいいです。LGBTQの中には『カミングアウトしても分かってくれへんやろな』って親兄弟との縁を切っていたり、話をしていない人もいるんですが……この先ふたりだけで生きていくとは言っても、やっぱり親兄弟との関わりは何かの場面で必要になってくるので。

そこはある意味で、普通の夫婦と一緒ですね。きちんと段階を踏んで、徐々に話を進めていくほうがハードルも低いです。お互いの親との関係を築いておくことも、今後の自分たちのためになります」

◆同性カップルが家を買うことで生まれる大きな価値とは?

苦労が多く、一筋縄ではいかない同性カップルの住宅購入。しかし「困難を乗り越えてでも家を買う価値や意義はある」と、しょうさんとけいさんは語る。

「ペアローンを組んで家を買うことで、ふたりの絆が強まると思っています。同性カップルの婚姻が法的に認められていない日本においては、僕たちはお互いを縛るものがない。だから普通の夫婦と違って、簡単に別れることができてしまうんです。

どうやったら、おじいちゃんになっても長く一緒にいられるか。そういった将来のことを考えると、家を買ってお互いにリスクを背負うのは、ひとつの方法だと思います。単身者ローンではなく、“書類にふたりの名前が載っていること”がとても大事なんです」

一般的な男女の夫婦であれば、「結婚するのは簡単だけど、離婚は大変」とよく言われるように、様々な手続きの面倒さや、子供の存在がストッパーになる。それらがないLGBTQにとって、関係性の維持は人一倍努力が必要だ。外的な制約がないからこそ、何かがあればあっという間に破局を迎えてしまう。そんなLGBTQカップルを筆者もたくさん見てきた。しょうさんとけいさんは「別の見方をすれば、マイノリティが家を買うことで経済的に国を支えられるという考え方もできる」と続ける。

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