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鳥貴族“全品370円均一”に値上げでも「原価率30%を守る」攻めの接客マニュアルとは

日刊SPA! / 2024年5月15日 8時52分

鳥貴族“全品370円均一”に値上げでも「原価率30%を守る」攻めの接客マニュアルとは

鳥貴族の店内

 外食各店が値上げを続ける中、焼き鳥チェーン大手「鳥貴族」も2024年5月から販売価格を全品均一360円(価格はすべて税込)から370円に10円値上げした。
 鳥貴族は2023年5月にも価格改定を実施し、全品価格を350円から360円に引き上げたばかりである。しかし、客足が遠のく可能性もあったのが、前年比で客数に大きな変化はなかった。これには外食業界のレジェンドですかいらーく創業者の横井竟氏も絶賛していた(テレビ東京「カンブリア宮殿」、3月28日放送)。

 客離れを起こさずに客単価を上げられたのは、絶対的な固定的支持客を持つ店の強みもあるだろう。やはり普段からの行いで、店の事情を理解してくれるお客に支えてもらっているのは大きい。そういった実績とそこから生まれる顧客との信用・信頼関係から考えると、今回の値上げで極端に客が離れることはあまりないように思える。

◆過去の業績低迷から学んだ組織改革

 そんな鳥貴族だが、過去に何度か値上げに踏み切ったこともある。その時はお客さんが敏感に反応し、業績が著しく低下したそうだ。そういった苦い経験を反省し、組織改革を実行した大倉忠司代表取締役社長は「ダイヤモンド・チェーンストア」(2022年7月15日)のインタビューでこう振り返っている。

 その内容は「各種コスト削減に取り組んでコストを抑えたことで、ムダのない筋肉質な体制、組織に移行」、コロナ禍にあっても「店は休業しても社員、店長の給与、賞与は100%保証」、さらに経営トップとして「前向きな考え方を発信し続け、従業員を勇気づけました」とある。

◆現場優先からマーケティング重視の経営に

 昔は、従業員の現場の感覚を優先した店舗の経営を行っていたという。しかし、売上の減少傾向が続いた時期に反省し、科学的根拠に基づく運営を目指し、コロナ前から本格的に全社を挙げたマーケティング活動に取り組み始めたそうだ。

 社内に、店舗を運営する「営業部」と並列のポジションとして、売上向上を支援する「営業本部室 営業支援課(のちにマーケティング部に名称変更)」を設置し、市場適合活動を強化し、売れる仕組みづくりに磨きをかけている。

◆来店促進する「アプリ」の仕掛け

 鳥貴族は新規顧客開拓と既存顧客の来店促進の目的のため、2023年にはアプリを開発し、1年で60万DL突破するなどの販促活動も強化している。これらは、新規客を増やし、その客を常連化・固定化するなど、顧客を囲い込みロイヤルユーザー化(店舗への忠誠度が高い顧客の組織化)してもらうための段階的な仕掛けが講じられている。

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