薬物依存で虐待サバイバーの女性32歳が語る“薬なしでは生きられなかった”ワケ「依存的に使う人の背景にあるもの」
日刊SPA! / 2024年5月22日 8時52分
長男を出産後、年子で次男を出産し、2人とも母乳で育てた。その間、たばこや酒・薬物は一切使用しなかった。子どもの送迎に車を使うことが増えたので、父のように飲酒運転で事故を起こしたくなかったこともあった。しかし数年後、離婚し、シングルマザーに。次男の授乳が終わり、飲酒と喫煙を再開したが、ある日、長男に言われた言葉で治療したいと思うようになる。
「長男に、『お酒を飲んでいるママがホントに嫌い』と言われました。自分が子どもの頃、周りの大人たちに意見を取り入れてもらったことがなかったので、息子に同じ思いはさせちゃいけないと思いました。だけど、1人でやめる自信がなかったので、初めて自分から必要だと思い、依存症専門外来を受診することにしたんです」
そこで出会った精神科医の松本俊彦氏や、風間氏が所属しているNPO法人ASK代表の今成知美氏をはじめ、信頼できる仲間たちに出会えたことで、薬物や酒を使わずとも自己効力感が得られるようになっていった。2023年5月には『専門家と回復者に聞く 学校で教えてくれない本当の依存症』も出版している。
◆「木津川ダルク」の実名報道に思うこと
死んでしまいたいと思うほどの状態から抜け出した風間氏。2021年からはNPO法人 ASKの社会対策部に所属している。元当事者として昨今の薬物報道に強い失望を感じることがあるという。
「実名報道は必要だったのでしょうか。薬物を依存的に使う人の背景には、逆境的小児期体験や、胸の痛み、孤立感などがあります。たしかに、違法薬物を使うことは犯罪です。だけど、使った人たちは、その法という一線を超えてまで使ったほうがいいと思うほど苦しい状態だった、ともいえます。
ダルクに入所している人たちの多くは、仲間と一緒に薬物を使わない人生を歩もうと立ち上がった人たちです。私はダルクに入所したことはありませんが、ダルクのおかげで立ち直れたと話す仲間たちに、多様な立ち直りの選択肢と希望を見せてもらえて、いつも勇気づけられています。だから、彼らがまるで極悪非道な犯罪者かのように報道されるのは私自身とても辛く、苦しいです。そして私もまた薬物依存症の当事者なので、そうした報道と痛みに突き動かされ、薬物を使用したい気持ちが顔を出します」
◆何をしてもいいと考える差別意識がある
「捕まったり、死にかけたからといって、薬物をスパッとやめられる人のほうがレアです。で、やめようと思っても、やめる準備や、一緒に頑張れる仲間との関係ができていない時期に再使用することは、回復過程ではよくあることなんです」と風間氏は話す。
この記事に関連するニュース
-
大谷翔平は水原一平氏の“症状”には言及せず、専門家が語る「依存症の人」への正しい接し方
週刊女性PRIME / 2024年6月15日 13時0分
-
「心配してもらうことで愛されていると実感したい」 若者に広がるオーバードーズ 依存症抜け出す鍵は「自分だけじゃない」
RKB毎日放送 / 2024年6月7日 18時32分
-
薬物依存症者の「逮捕実名報道」家族が抱く違和感 過剰な報道が依存症者の社会復帰を阻むと懸念
東洋経済オンライン / 2024年6月4日 10時0分
-
心のケアは魔術じゃない──中米ホンジュラスにおける、国境なき医師団の挑戦
国境なき医師団 / 2024年6月3日 17時8分
-
たばこ依存は病気…根性や会社命令ではやめられない、禁煙治療の現在地と課題「薬で治療ができるという認知が広がってない」
ORICON NEWS / 2024年5月31日 12時0分
ランキング
-
1電車で「足を広げて座る男性」にイライラしていると…“ガタイの良い高校生”に心のなかで拍手したワケ
日刊SPA! / 2024年6月21日 15時52分
-
2霜降り明星・粗品の毒舌に覚える「嫌悪感の正体」 アンチコメントが殺到している「3つの理由」
東洋経済オンライン / 2024年6月20日 15時30分
-
3「電マ」を“車両”にしてレース 前代未聞のNHK番組の裏側 伊集院光さん「ネットがザワついてますけど?」 番組Dの回答に絶句!?
乗りものニュース / 2024年6月20日 19時12分
-
4なぜ日本で売らないんだっ!? いすゞの新「世界戦略SUV」大幅イメチェンに驚きの声 国内カムバック熱望!?
乗りものニュース / 2024年6月21日 17時12分
-
5妻「もう赤の他人なので」と吐き捨て、子を連れ実家へ…1人残された月収40万円・43歳の〈モラハラ夫〉が直面する「住宅ローン破綻」
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月22日 7時15分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください