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「餃子の王将」は年商930億円。2年間で4度の値上げも“ファンが離れない”決定的な理由

日刊SPA! / 2024年6月28日 8時52分

◆4度目は値上げ幅も大きい。顧客の動向は?

 今回は、値上げ幅もけっこう大きく、絶対的なファンが多いとはいえ、お客さんの動向が注視される。値上げリスト(税込価格表示)を見ると、特に王将ラーメンは627円が748円と120円の値上げで19%アップだ。

 ランチ予算が減少している今、注文が最も多いランチの時間帯に748円のラーメンは客に受け入れられるだろうか。同じく人気の焼飯も572円と10%の値上げであり、今回は人気商品の10%以上の値上げが目立つ。

 商品を追加注文してもらって単価を上げる餃子の王将からすれば、思惑通りにいかせるのは難しいかもしれない。それでも町の中華店と比較したらまだ安いし、値上げによる顧客離反は微減ではなかろうか。その理由は、安い割に内容が充実しているジャストサイズメニュー、一品料理の存在だ。

 ジャストサイズの鶏の唐揚げ(税込363円)、通常サイズ焼き豚(税込495円)を見たら分かるように、これなら家族客だけでなく、一人飲み客も大喜びである。加えて、お客さんの王将に対するブランドロイヤリティ(忠誠度)は高く、絶対的なファンが多く存在するからだ。

◆ブランドロイヤリティで圧倒的な存在感

 なんといってもラーメン市場において、売上・店舗数1位のチェーンで、幅広い客層に支持されている。大概のお客さんが「餃子の王将アプリ」を有しており、来店ポイントやさまざまな特典を使って満足している。中華が食べたくなった際、まず想起するのは餃子の王将になる人が多いようだ。

 価格決定要因には、①コストプラス法、②需要志向決定法、③競争志向決定法がある。コストプラス法のようにかかった費用に自店の利益を加えて売価にすれば簡単で赤字になることはないが、そう単純に行くことでもなく、お客さんは価格に敏感だから、自店のお客さんに受け入れられる価格に設定しないと離反する。

 特に今のように賃金上昇が物価高騰に追いついていかない経済状況では、需要志向や競争価格志向が価格決定要因に大きく影響するものである。飲食店においても当然に、売り手と買い手の力関係で価格は決まる。店のほうが強ければ 値上げも客に遠慮なくできるから、採算割れすることはない。

 ここで重要なのは自店にブランドロイヤリティがあるか否かであり、あってもその忠誠度合いのレベルが高いか低いかである。餃子の王将は値上げしても、ブランドロイヤリティが高いお客さんが多いから、それほど客足に影響がないし、本部も自信があるかもしれない。値上げは、物価高への対応や顧客満足度をさらに高めるための店への投資だと、お客さんに理解を求めているのだろう。

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