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「餃子の王将」は年商930億円。2年間で4度の値上げも“ファンが離れない”決定的な理由

日刊SPA! / 2024年6月28日 8時52分

 2023年3月末の店舗数は732店。そのうち、FC加盟店は190店舗。FC比率は26.0%で、直営店主体の店舗展開を行っている。餃子の王将は直営店が多いため、家賃や人件費などが直接費用となり、固定費が高いことで損益分岐点は高めである。だから不測の事態に陥った時のリスクは大きい。

 そういった費用構造でも、2023年度実績では、営業利益率は8.6%は確保しており、収益力に問題はない。貸借対照表を見て財務状態を分析しても、自己資本比率が74.6%と財務基盤は盤石で経営の安定性は評価できる。

◆損益分岐点高めだが投資家からは評価

 上場企業だから資本効率(ROEが10%以上なら投資価値があると判断され、 5%以上なら合格点、15%以上なら優良企業といわれる)も重要指標として見られるだろうが、餃子の王将のROEは10.20%だから投資家にも一定の評価はされている。

 このように収益状況や財務基盤が安定しているのに、頻繁に値上げを断行するのは、まだまだ先行きが不安定のため、今のうちに経営基盤と組織体質を強化しようとする表れか。餃子の王将も店舗数729店舗(2024年5月発表)、売上1000億円を超え、従業員も2254人(2023年3月末時点)と巨大な外食企業となった。

 値上げは将来を見越して、成長する企業の社会的使命を全うするためで必要不可欠と判断したことであろう。株主、従業員、地域社会への責任などを重視する餃子の王将らしい。それが、どこまでお客さんに伝わり、安定成長を後押ししてくれるかは、収益の源泉である店舗次第であろう。ラーメン業界において、なくては困る餃子の王将をこれからも応援したい。

<TEXT/中村清志>

【中村清志】
飲食店支援専門の中小企業診断士・行政書士。自らも調理師免許を有し、過去には飲食店を経営。現在は中村コンサルタント事務所代表として後継者問題など、事業承継対策にも力を入れている。X(旧ツイッター):@kaisyasindan

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