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「文化遺産」として見直される昭和の都電。「アニメの聖地」や「渋沢ゆかりの地」などに残る都電の今を追う

日刊SPA! / 2024年10月2日 8時51分

「文化遺産」として見直される昭和の都電。「アニメの聖地」や「渋沢ゆかりの地」などに残る都電の今を追う

三ノ輪橋から旅をスタート。2007年に昭和の雰囲気タップリにリニューアル。一時撤去されていた昭和の電停のシンボル・時計塔も復活した(写真:若杉優貴)

 21世紀に唯一残る都電・都電荒川線。荒川線は東京で最後に残った都電の2つの系統を1974年に1路線に再編して誕生したもので、今年(2024年)で50周年を迎える。
 近年は新型車両の導入も進み、すっかり「21世紀のエコな交通機関」といった様相の荒川線であるが、実はその沿線の様々な場所に、都電全盛期に活躍した「昭和の都電」が保存されていることをご存知だろうか。

 都電の都心撤退から約半世紀。かつては都内各地で見られた都電全盛期の保存車も、老朽化や再開発などによって撤去が相次いでおり、今となっては非常に貴重な存在だ。今回は都電荒川線・三ノ輪橋電停からスタートして、都電荒川線沿線に保存されている6両の都電に会いに出かけてみた。

◆荒川区立あらかわ遊園/6152号(荒川遊園地前)

 最初に降りたのは荒川遊園地前電停。ここは言うまでもなく遊園地「あらかわ遊園」の最寄り電停となっており、夏休みなどは多くの子供たちで賑わいを見せる。

 そのあらかわ遊園の入口に保存されているのが6000形6152号。6152号は1949年製で、都電最多となる290両が製造された6000形最後の生き残りとして荒川線でも活躍したが、2001年に廃車。その後、2003年からあらかわ遊園で保存されている。

 6152号は今回紹介する6両のなかでは唯一21世紀まで走っていた車両であるが、すでに廃車から23年が経過。しかも、文化施設などではなく遊園地での屋外保存であるものの、屋根が設置されており外装は比較的綺麗な状態だ。

 現在は1950年代まで都電の標準色だった緑とクリーム色に塗られており(ただし実際よりも色が濃く、ナンバー表記のフォントも少し異なる)、2022年からは「カフェ193」(いっきゅうさん=ライトが一球であることから)として営業中。もちろん車内に入ることもできる。車内は店舗として利用するために一部シートなどが撤去されており、都電の吊り革を模した「つりわパン」や都電グッズなども販売されている。

◆実は東京23区では唯一の存在

 実はあらかわ遊園はかつて荒川線の前身である王子電気軌道が経営していた。現在のあらかわ遊園は荒川区営であるが、こうした本格的な「公営遊園地」は全国的にも珍しく、東京23区では唯一の存在となっている。アトラクションも200円程度で乗れるものがほとんどなので、都電めぐりのついでに入園してみては。

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