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「日本経済を支える100歳ビル」に「間もなく消えるレトロビル」も…初開催“建築フェス”で名建築と触れ合ってみた

日刊SPA! / 2024年10月13日 8時53分

◆②丸石ビルディング(1931年築)

 続いて訪れたのは千代田区の神田駅近くにある「丸石ビルディング」(大洋商会ビルディング)。1931年に大洋商会のオフィス兼商店として建築されたもので、「下層階は商店・高層階はオフィス」という、現在にも通じる形式の複合オフィスビルだ。2002年には国の登録有形文化財となっている。ちなみに、設計者の山下寿郎氏は戦後に霞が関ビルディングやNHK渋谷放送センターなどを手掛けている。

 丸石ビルで特別公開されたのは1階のエントランスホール部分(撮影禁止)。公開部分が広くないこともあり、数分並べば入ることができた。スクラッチタイルで彩られたロマネスク調の建物のエントランスに立つと出迎えてくれるのは立派な石獅子。アーチをくぐると現れる緻密な装飾が施された天井は圧巻だった。

 戦前、この丸石ビルの下層階には大洋商会の自動車ショールームもあったという。「戦前の自動車ショールーム」というと恐らく富裕層しか縁がない場所。建物の荘厳な装飾にふさわしい店構えだったことだろう。

◆③三井本館(1929年築)

 神田から中央区に入り三越前へと移動、到着した「三井本館」は噂通りの大混雑だった。三井本館の場所はもともと1683年に呉服店「三井越後屋(三越)」(1673年創業)が店を構えた場所。同年には三井住友銀行の前身となる両替商の営業も開始している。現在の三井本館は1929年に竣工したもので、1998年には国の重要文化財に指定された。

 今回特別公開されたのはエレベーターホールなど。社長室や金庫室などは事前申し込み・抽選制の有料見学会のみで公開されたそうだ。長蛇の見学列に並んでみたものの、「約1時間待ち」とのこと。

 並んでいる人からも「このままだと他が回れないと思う」という声が聞こえてきた。そのため、後ろ髪を引かれながらも外から覗くのみとして、代わりに「日本橋三越本店本館」(1914年築・1935年改修、国の重要文化財)の荘厳な内装を楽しんだあと、新橋を経由して丸の内へと移動することにした。

◆④堀ビル(1932年築)

 続いて訪れたのは港区の新橋駅近く、外堀通り沿いにある「堀ビル」。堀ビルはもともと建具などを販売する堀商店のオフィスとして1932年に建てられたもので1998年には国の登録有形文化財となり、2020年まで同社のオフィスとして利用されていた(現在、建物は同社が保有しているものの本社は千葉県に移転)。

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