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「日本経済を支える100歳ビル」に「間もなく消えるレトロビル」も…初開催“建築フェス”で名建築と触れ合ってみた

日刊SPA! / 2024年10月13日 8時53分

 しかし、老朽化が進んだことから竹中工務店などの協力を経てリノベーションを実施。2021年にレトロな外観や内装を活かすかたちで21世紀型のシェアオフィス「GOOD OFFICE新橋」へと生まれ変わった。レトロビルをリニューアルしたシェアオフィスは遠くからでもよく目立つ存在で、「近代建築の新たな活用方法」としても注目されている。

 堀ビルで公開されたのは1階のオフィスラウンジ部分と階段室。こちらはあまり並ぶことなく入ることができた。かつて建具を扱う会社のオフィスだっただけあり、照明や階段の手すりなどにも細かいこだわりが。丁寧な細工を間近に堪能することができた。

◆⑤国際ビルヂング(1966年築)

 新橋から再び千代田区へと戻り、日比谷に到着して最初に向かったのは1966年に竣工した「国際ビルヂング」。国際ビルヂングという名前には馴染みがないかも知れないが、「帝劇のある建物」(正確には2つのビルの合築)と言われればピンとくる人が多いだろう。

 国際ビルヂングは特別公開されている場所がある訳ではなく、共用部であるエントランスに建物の来歴などが展示されていた。とはいえ、昭和レトロ感満載のエレベーターホールの美しいモザイク画や星をイメージしたような照明を堂々と撮れるのは「建築祭」という大義名分あってこそだ。

 最初に述べたとおり、この国際ビルヂングと帝国劇場ビルは老朽化のため2025年2月ごろに閉館し、再開発が予定されている。日中ならば共用部のエレベーターホールは自由に入ることができるため、建築祭で見逃した!という人はお早めに。

◆⑥新東京ビルヂング(1963-65年築)

 続いて向かったのは国際ビルヂングのすぐそばにある「新東京ビルヂング」。こちらも国際ビルヂングと同じく三菱地所による1960年代築の昭和レトロビルで、共用部で建築祭の展示が行われていた。

 ちなみに、国際ビルや新東京ビルが建築される前にあったのは三菱グループが中心となって明治時代に造り上げた「一丁倫敦(いっちょうロンドン)」と呼ばれる赤レンガの街並みだったそう。当時の写真も展示されており、「文明開化の時代」から一気に「近代化的オフィスビル街」へとタイムスリップしたことが分かる。

 先述したとおり、国際ビルや新東京ビルの近くには同じく三菱地所が管理しており2023年10月に閉館したレトロビル「有楽町ビルヂング」「新有楽町ビルヂング」の姿もあった。これら2棟は再開発のため2024年中に解体される予定となっている。もし建築祭が1年早かったならばこれらの建物も見学できたかも知れない……と悔やまれる。

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