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「日本経済を支える100歳ビル」に「間もなく消えるレトロビル」も…初開催“建築フェス”で名建築と触れ合ってみた

日刊SPA! / 2024年10月13日 8時53分

 周囲のビルが再開発で生まれ変わろうとするなか、この新東京ビルは現在お色直しの真っ最中。リニューアル工事は上層階のオフィス部分・下層階の商業施設部分の双方で行われており、2024年11月に全館完成する予定だ。竣工から60年を迎えた昭和のオフィスビルは、これからも有楽町・丸の内の人々に親しまれることだろう。

◆⑦明治生命館(1934年築)

 千代田区丸の内、皇居外苑濠沿いにおけるシンボル的存在の1つである「明治生命館」は1934年に竣工した現役の大型オフィスビルだ。外観はコリント式の柱が並ぶ古典主義でありながら設備は当時最新式であったという。戦時中は大型建物の建築が難しくなったうえ過度な装飾なども禁止されたため、戦前におけるオフィスビル建築の最高傑作の1つといえる。

 終戦後は1956年までGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)に接収され、1956年まで米空軍の極東司令部などが入居していたという過去も。現在も明治安田生命がオフィスとして利用しており、1997年には国の重要文化財に指定されている。

 東京建築祭では、明治生命館と接続されている明治安田生命ビル(2004年築)の共用部に案内パネルが設置されていたため、「明治生命館の裏側」を見ながらかつての丸の内の姿を知ることができた。

◆⑧東京駅丸の内駅舎/東京ステーションホテル(1914年築・2012年復原)

 今回の「名建築巡りワンデートリップ」のフィニッシュは「東京駅丸の内駅舎」。まさに「東京建築祭」の終着点としてふさわしい場所であろう。

 東京駅丸の内駅舎の南北ドーム下2階部分には回廊が設けられており、東京建築祭の期間はそのうち南側で駅舎の歴史などに関する特別展示が行われていた。この回廊も、丸の内で見学した他の建物と同じく通常でも立ち入ることができる場所だ(北ドーム下2階は東京ステーションギャラリーを利用すると見学することができる)。

 南北の回廊には東京駅の歴史を紹介する資料や模型、復原前に使われていた部材などが常設展示されている。むしろ東京建築祭の期間外のほうがゆっくり見学できるかも知れないので、駅を利用するついでに訪れてみて欲しい。

◆変わりゆく都心の今のすがた

 大盛況の末に幕を閉じた東京建築祭。1日でどれだけ見れるか不安であったが、公開対象となっていた17棟のうち8つの名建築をめぐり、さらにそのうち3棟は当日限定の「特別公開」されている部分にも入ることができた。東京建築祭実行委員会の発表によると、建築祭の最終的な参加人数は約6万5000人。これは日本国内の建築祭としては過去最大級だったそうだ。

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