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「癇癪持ちで束縛癖がある妻」と“離婚させてもらえない”夫。法律の専門家が授けた“作戦”を決行した結果

日刊SPA! / 2024年11月3日 8時53分

もちろん、誓約書を役所に持ち込んでも離婚したことにはなりません。正式に離婚するには誓約書ではなく離婚届に署名をもらう必要があります。妻が離婚届に署名するよう説得するために誓約書を使うという位置付けです。このときは「どうせ守れないだろう」と軽く考えていました。

◆妻が外で働き始め、事態は好転

夫婦の関係はこのまま悪化の一途を辿るかと思いきや、思わぬ幸運が訪れました。2020年、妻が外で働き始めたのです。夫婦の子どもが中学校へ入学すると、妻の方から「家計の足しになれば」と切り出したのです。拓真さんは「嬉しいけれど、今まで働いたことがないし、難しいんじゃないかな」と答えたそう。実際のところ、妻は結婚してから13年間、ずっと専業主婦。少しも働いたことはなく、仕事の経験値がないに等しいし、これといった資格やスキルもありません。

実際のところ、この年の有効求人倍率は1.10倍。前年(1.55倍)を0.45ポイント下回り、コロナ不況の影響をもろに受けていました。

しかし、拓真さんの予想は良いほうに外れました。人材派遣の会社が妻を採用したのです。当時は新型コロナウイルスが蔓延した1年目。消毒の徹底やソーシャルディスタンスの確保など感染対策が厳しくとられていた時期でした。妻に与えられた仕事はサッカーや野球、コンサートの会場でマスクを着用していない人に対して「マスクの着用をお願いします」と声かけをすること。

着用していない人に逆ギレされる可能性はあるものの、誰でもできる仕事です。その結果、妻は平日の日中、働いているので1人で寂しい思いをしません。筆者が「どうなったのですか?」と聞くと、拓真さんは「出張中にLINEが届かなくなったんです」と喜びます。そして1人で自宅に取り残され、不安な思いをし、イライラすることもありません。そのため、モノに当たって傷つける機会もなくなったのです。

◆妻が仕事を失い…雪解けも束の間

このように妻は働きに出ることで拓真さんとぶつかる場面が減り、夫婦の関係は急激に改善していったのです。

しかし、雪解けも束の間。また二人の間に雪が降り積もる事態が起こったのです。2023年5月、政府は新型コロナウイルスを5類感染症に移行することを発表。それに伴って今まで行われていた感染対策は大幅に縮小されたのですが、それは妻の仕事も例外ではありませんでした。勤務先は会場に声かけの人員を派遣しなくなり、妻もお役御免とばかり、仕事を失ったのです。

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