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「癇癪持ちで束縛癖がある妻」と“離婚させてもらえない”夫。法律の専門家が授けた“作戦”を決行した結果

日刊SPA! / 2024年11月3日 8時53分

もちろん、妻が外へ働きに出なくなっても、過去と同じトラブルを起こさなければ良いのですが、妻は完全に元の姿に戻ってしまったようです。筆者が「最近の奥さんはどうですか?」と尋ねると、拓真さんは深いため息をつきます。

例えば、一人で自宅にいると機嫌が悪くなり、今度はまだ中身が残っているチルドコーヒーを投げつけ、壁が茶色く染まる出来事が起こったのです。さらに拓真さんが出張中に「腰が痛くて起き上がれないの。早く帰ってきて」とスケジュールの変更を求めてきたのです。

筆者は「どうするのかは井上さん次第ですが」と投げかけると、拓真さんは「この3年間はのらりくらりとやっていけると思っていたのですが、さすがにもう限界、終わりにしようと思いました」と当時の心境を振り返ります。

◆離婚を迫ると「できる限りの抵抗」を…

そこで4年前に妻が記入した誓約書を用意し、妻の目の前に置き、「そういうわけだから」と離婚を迫ったのです。「え、嘘でしょ? 冗談だと思ってた」とふざけた態度をとったり、「香菜(子の名前)のことも考えて!まだ父親が必要な年だわ」と下手に出たり、「最後にもう一回だけチャンスをください。今度はちゃんと守るから」と泣きの手に出たり。できる限りの抵抗をしたのです。

さらに「お母さんに会わせる顔がないわ。あの人がどんな人か知っているでしょ!」と肉親を活用しようとしたのですが、拓真さんは「それは違反だろ!」と一喝すると妻は何も言えなくなったそうです。

結局、「次、同じことをしたら離婚に応じる」と約束したのは他ならぬ妻本人です。どうしても、そのことを覆せず、最終的には離婚届に記入したのです。

ここまで拓真さんの苦悩を見てきました。実際のところ、離婚が「別れましょう」「そうしましょう」と二つ返事で決まることはありません。許す許さない、怒る怒らない、話す話さないなどの揺り戻しを何度か繰り返した末に、どうしようもない場合は離婚します。

拓真さんの妻の場合、夫が不在の間、どのように気持ちを整えるのか、母親との距離をどうするのかを真剣に考えていれば、また違った結果をむかえたかもしれません。

しかし、妻は最初から最後まで何も変わらなかったので拓真さんは絶望し、最後の手段(誓約書を使って離婚の同意を取り付ける)を講じざるを得なかったのです。性格の不一致の場合、離婚するかどうかは紙一重ですが、「離婚したくない人」が離婚しなくてもいいように努力をしなければ、最終的に離婚は避けられないと言って良いでしょう。

<TEXT/露木幸彦>

【露木幸彦】
1980年生まれ。国学院大学卒。行政書士・FP。男の離婚に特化し開業。6年目で相談7千件、「離婚サポートnet」会員は6千人を突破。「ノンストップ」(フジテレビ)、「ホンマでっかTV」(フジテレビ)、「市民のミカタ」などに出演。著書は「男のための最強離婚術」(7刷)「男の離婚」(4刷)など11冊。

公式サイト
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ブログ:法律でメシを食う若造のブログ
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