牛肉高騰でインフレ気味の牛丼チェーンを尻目に…「かつや」「てんや」「なか卯」“和風丼チェーン”3社の現在地
日刊SPA! / 2024年11月15日 8時53分
なか卯の親子丼とうどん(筆者撮影)
2024年1月〜10月の飲食業の倒産が820件(前年同期比12.7%増)と増えている。業種別では、ラーメン店や焼肉店などの専門料理店が最も多く、酒場、ビヤホールが続く。コロナ収束で人流や客足が戻り、売上は回復している店も多いのに、人手不足、人件費上昇、エネルギーコストや物価高騰などが経営を厳しくしている。
牛丼市場の88%を占める牛丼御三家の「すき家」「吉野家」「松屋」も10月上旬、一斉に割引キャンペーンを実施した。今の牛丼チェーンは看板商品の牛丼だけでは生き残りが難しく、各店が同じようにカレーや定食などの品揃えでメニューを拡充し、同質化したメニュー構成になっている。
やはり価格で差別化するしかないのが現実なようだ。今回は値上げでも客が離れない和風丼チェーンについて述べてみたい。
◆先行している牛丼チェーン業界
牛丼チェーン各社は、牛肉や豚肉の価格高騰に対応するため、比較的に安く安定している鶏肉を使用したメニューの拡充にも力を入れている。これまで支えてきた客層も高齢化が進展し、将来の顧客予備軍を確保するためにも、客層の若返りは必須だ。若者層を狙うためにも、価格競争力と商品力の両立性を打ち出しているようだ。
看板メニューの牛丼は輸入牛の安い部位であるショートプレートを各社が使用するが、昔と違い円安や物流コストの高騰などで仕入れ額が上がっている。とはいえ、まだまだ値下げ余地があると推測される。しかも、調理工程は単純で注文を受けて迅速に、かつ従業員の労働負担も軽減しながらの提供も可能。
以前は並盛350円程度だったのが、すき家と松屋は並盛430円、吉野家は並盛498円(ともに税込)と値上がりしており、「早い、安い、うまい」は昔の話になりつつあるようだ。
◆贅沢を庶民の食べ物にしたかつや
物価高騰に賃金上昇が追いつかず、外食離れが進展している。そういった中、忙しい会社員には、手っ取り早く、しかも安く済ませられるランチが好まれる。昔は贅沢品だったかつ丼をかつてはワンコイン490円(税込539円、2022年7月から段階的に値上げ)の提供で、庶民の食事にしてくれたかつ丼チェーンの「かつや」。
単にコスト削減を優先した安かろう不味かろうではなく、品質も高く、低価格のかつ丼にお客さんは満足しているようだ。この価格破壊に他の競合他店は追随する動きを見せており、かつ丼市場は活性化している。
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