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牛肉高騰でインフレ気味の牛丼チェーンを尻目に…「かつや」「てんや」「なか卯」“和風丼チェーン”3社の現在地

日刊SPA! / 2024年11月15日 8時53分

 しかし、そのかつやもコスト削減が限界になり、段階的に値上げに踏み切っている。2024年10月18日からも、カツ丼など一部商品を値上げしたのだ。原材料価格、エネルギーコスト、物流費、人件費などの上昇などのためだが、それでも安いと顧客は離反することなく相変わらずの人気だ。

 今年10月、主力メニューである「カツ丼(梅)」は649円に値上げしたのだが、それでも大概のお客が今までが安かったんだとその価値を認めていた。また、かつやは来店客の全員に次回利用できる100円の割引券を配布しているから、今でも実質549円でかつ丼が食べることができる。同グループのからあげ専門店「からやま」でも25日から値上げしたが、同じように100円割引券を常時配布している。こちらも客足が鈍ることはないようだ。

◆かつやの運営会社の実態

 かつやの運営は、以前はアークランズ株式会社(本社:新潟県三条市)が担っていた。アークランズはムサシやビバホームなどホームセンター事業を中核として、全国に270店舗(2024年8月31日自点、傘下のアークランドサービスの外食店除く)を展開している。

 しかし消費者の生活様式の変化による外食市場の規模拡大を事業機会と捉えて、1986年4月に外食事業部を設立。本格的に飲食事業を展開するため、1993年、アークランズ株式会社の外食事業部門の営業を譲り受け、100%出資の子会社としてアークランドサービス株式会社を設立した。

 かつやは傘下のかつや株式会社が運営しており、525店舗(直営139店舗、FC311店舗、海外75店舗、2022年12月末時点)展開している。また、同グループでアークランドサービス傘下のエバーアクション株式会社が運営する「からやま」は現時点で122店舗出店しており、コロナ収束後に各社が整理縮小される中で好調だ。

◆関西での店舗展開力を高める戦略

 2010年には両チェーンのさらなる店舗展開力を強化するため、関西での地盤が強固な和食ファミレスチェーン「和食さと」などを展開するSRSホールディングスと資本・業務提携を締結した。

 SRSホールディングスとアークランドサービスホールディングスが、出資比率51%(SRSホールディングス):49%(アークランドサービスホールディングス)で「サト・アークランドサービスホールディングス」を共同出資で設立し、エリアフランチャイジーとして協力関係を構築している。

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