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「吃音のハンデの克服には難関医学部に合格するしかない」吃音を持つ医師が“悩み続けた”半生を告白

日刊SPA! / 2024年11月18日 8時52分

小学校の学習発表会で、同級生の親がビデオ録画してくださったものをクラス内で視聴する機会がありました。その発表では、私はどもっており、そのシーンも録画されていました。同級生の多くが笑い、何人もが私のほうを見ましたが、担任も一緒になって笑い、私のほうを見ていました。実は、自分がどもる映像を見たのは、それが始めてでしたので、人からはこう見えているのか、と思いましたが、同級生に加え、担任までも笑ってこちらを見たのは、やはり、ショックでした。 抗議のつもりで、小テスト回答後、回収前に答案を消して何度か白紙で提出しました。内申点が気になり、途中でやめましたが。

中高時代、「ドモルガンの法則」についての授業があった際、同級生から「え?直人の法則?」と言ってからかわれました。同級生はまだしも、数学の教師が一緒になって笑って私を見ていました。教師に腹が立った私は、学校への抗議のつもりで、中間テストを白紙で提出しました。そして、期末試験では満点。学期末の面接で「真面目にやれ」と担任から言われたのですが、何故白紙答案を出したのか、メッセージって伝わらないんだな、と思った記憶があります。そして、内申点が下がるだけで、意味がない、むしろマイナスだった、と悟りました。

◆吃音のせいで進路や職業の選択肢が狭まる

――大学受験の際も、吃音というハンディを乗り越えて、医師として認められるためには、難関と言われる大学の医学部を目指さなければと 思ったという。

北村:慶應義塾大学医学部は、ペーパーテストの後に、小論文と教授との面接があります。高校1年の時から慶應義塾大学を見据えて、小論文対策などしましたが、面接を考慮して、相当にペーパーで稼がないと、と猛勉強しました。だけど、面接では酷くどもってしまい何も答えられませんでした。面接の時間が、とにかく長く感じました。教授に『合否を面接だけで決めないから安心してください』と言われても、言葉が出ませんでした。

――無事、慶應義塾大学医学部に合格したが、卒業後に担任の教授から手紙が届き、教授会議で合否をかなりディスカッションされた末だったと知ることになる。学生時代の部活は、アメフト部を希望するも、吃音があるために、部長から、「吃音があり、入部しても、今後、試合に出すわけにはいかない」とのことで、入部拒否された。卒業後の進路の幅も狭かった。

北村:元々、私は外科医志望でした。大学6年時に、内部生は落ちないといわれる研修科の選択でも、外科からは『来てもいいけど、一生、手術はさせない』と言われました。 外科の面接は国家試験の2~3か月ほど前だったのですが、最悪なことに、面接でひどくどもってしまったのです。医師の国家試験を受けるわずか10日前に告げられました。

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