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「吃音のハンデの克服には難関医学部に合格するしかない」吃音を持つ医師が“悩み続けた”半生を告白

日刊SPA! / 2024年11月18日 8時52分

そのままだと、たとえ国家試験に合格したとしても、医者として働く場所がありません。試験勉強どころではなくなり、選択肢として検討していた、皮膚科や精神科にも相談しましたが、すでに締め切ったと門前払いでした。大学への抗議として、国家試験をボイコットしようか、などとも悩みましたが、小・中・高校時代の白紙答案事件が思い出されました。試験をボイコットしても、自分が損をするだけで、誰にも、何の影響もない。親が悲しむくらいだ、と踏みとどまり、悩んだ末に放射線科の教授に相談したのです。放射線科の教授からは、来てもよいと即答していただき、国家試験後にご挨拶に伺ったところ、内科の教授にも相談してくださり、放射線科と内科が承諾をしてくださることとなりました。

◆“武器”となった専門医としてのスキル

――卒業後の2年間は「慶應義塾大学病院内科で研修を受けましたが、週に数コマの外来と検査の割り当て以外は、病棟患者をまわったり、文献を読んだり、上司とディスカッションしたりと、ある意味自由な過ごし方が可能でした」という。

北村:私は、超音波検査や気管支鏡、胃カメラ、大腸カメラなど、可能な限り、検査につかせていただいて経験を積み、研修2年目には、大学病院の当直とは別に、大学の関連病院3~4か所の当直を月に20~25回ほど勤務させていたただき、吃音のハンデを、とにかく、技術と経験で補おうと努力しました。内科と放射線科で研修、修練を積ませていただき、総合内科専門医・指導医、消化器内視鏡専門医・指導医、肝臓専門医・指導医、消化器病専門医・指導医、がん治療認定医、放射線診断専門医、核医学専門医、PET核医学認定医、肺がんCT検診認定医、脈管専門医など取得することができ、専門医のライセンスとたたき上げのスキルが私の武器となりました。

――国家試験の10日前から就職活動をして、受け入れてくれた、内科と放射線科で研修を受けることになるが、ドクターとして働くにあたっても、吃音のハンディは付きまとった。

北村:ドクターになってから3年目の出張の時に、吃音が出ることについて、循環器科の部長に『この身体障害者が!』と言われた時はショックでした。4年目の出張の時には、患者さんの家族から 担当医師を変えて欲しいと言われることもありました。消化器内科の部長が配慮してくださり、部長がバックアップするということで担当継続となりました。そのご家族は、最終的には、すごく満足してくださいました。 勤務先によっては看護師や受付が診察室への呼び込みをするなど配慮がありました。

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