【追悼】「昭和が終わった気がする年」2024年に亡くなった著名人・有名人…思い出とともに振り返る
日刊SPA! / 2024年12月31日 15時48分
◆【9月】ピーコさん
9月3日、ファッション評論家のピーコさんが敗血症による多臓器不全のため亡くなった。享年79歳。
文化服装学院を卒業した経歴を持つが、「ファッション評論家」よりも好き放題言えるタレント業こそがこの人の本業だったと思う。それは、「映画評論家」が肩書きの弟・おすぎさんも同様。それほど、2人のマシンガントークはすごかった。おすぎとピーコがテレビ界の天下を取っていた時代は確実にある。
晩年は認知症を患ったおすぎさんを介護しようと2人で同居したものの、結局おすぎさんは施設へ引き取られることになり、しばらくしたらピーコさんも認知症を発症したと伝えられている。ピーコさんの葬儀の喪主はおすぎさんが務めたが、おすぎさんがピーコさんの死を理解することは難しかったそうだ。
つい4年前まで2人の冠ラジオ番組は存在したし、ピーコさんは3年前まで『5時に夢中!』(TOKYO MX)などテレビにも出演していた。時の流れの無情さを感じる。
ピーコさんが亡くなるまでに、社会のLGBTに対する理解は多少なりとも進んだ。それは、ピーコさんとしても浮かばれた気持ちだっただろうか? 合掌。
◆【9月】小林邦昭さん
9月9日、元プロレスラーの小林邦昭さんが膵臓がんのため亡くなった。享年68歳。
初代タイガーマスク(佐山聡)をターゲットに見据えた「虎ハンター」として脚光を浴びた小林さん。タイガーをボコボコにし、マスクをビリビリに破く闘いぶりは全国の虎ファンからヘイトを集めた。しかし、バックステージにおける2人の仲は良好、小林さんのブレイクを誰よりも喜んだのは佐山だといわれている。一方、のちに小林さんからも「佐山には感謝してもしきれない」というコメントが。プロレスとは底が丸見えの底なし沼である。
引退後は、新日本プロレス合宿所の管理人になった小林さん。団体創設者である故・アントニオ猪木さんと新日の関係が悪化していた2000年代後半、道場に飾られていた猪木さんのパネルが外され、パネルを外した実行犯は棚橋弘至とされた。しかし、本当に外したのは小林さんである。つまり、暗黒時代にあった新日を救う“復興の祖”棚橋を前面に押し出すエッセンスとして、この「パネル撤去事件」は活用されたということだ。驚くべきは小林さんのプロレス頭である。
業界内で小林さんを悪く言う人を見たことがないし、女性からモテまくったという“伝説”は他の追随を許さない。誰からも愛された人間性が、小林邦昭の素顔だ。
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