【追悼】「昭和が終わった気がする年」2024年に亡くなった著名人・有名人…思い出とともに振り返る
日刊SPA! / 2024年12月31日 15時48分
最期は病室ではなく、愛妻・池波志乃に看取られて眠るように逝ったという中尾さん。最高の死に際ではないだろうか? さすが、芸能界を代表するおしどり夫婦だ。
◆【5月】今くるよさん
5月27日、お笑い芸人の今くるよさんが膵がんのため亡くなった。ちなみに、相方・今いくよさんが亡くなったのは2015年5月28日。相方と命日はたった1日違いである。
京都明徳高校ソフトボール部の頃からの付き合いの2人だ。「私はピッチャーでエース、くるよちゃんはキャッチャーでロース」といういくよくるよの漫才があるが、本当のところはいくよさんがセンターを守る強打者でくるよさんは控えのキャッチャーだった。
俗に「いくよがボケでくるよがツッコミ」と言われるが、明確に2人をボケツッコミで分けるのは難しく、実際は「両ボケ両ツッコミとするほうが合っている。第2回「花王名人大賞」最優秀新人賞を受賞したコンビで、キャリアはオール阪神巨人よりも上。だから、劇場ではいくよくるよがトリで登場することが多かった。
『オレたちひょうきん族』(フジテレビ系)の栄えある第1回は、ビートたけしがくるよさんに「ブスだねえ」と言ってから、全員で「オレたちひょうきん族!」とタイトルコールを発するオープニングだった。今も男社会のお笑い界だが、この世代の女性芸人は本当に大変だったと思う。
大御所になっても変にご意見番にはならず、あくまで芸人として生きた漫才師だった。
◆【6月】桂ざこばさん
6月12日、落語家の桂ざこばさんが喘息のため亡くなった。享年76歳。
88年より「桂ざこば」を襲名したが、やはり桂朝丸時代の活躍が印象深い。『テレビ三面記事 ウィークエンダー』(日本テレビ系)では泉ピン子と双璧をなすおもしろさを誇り、まくし立てるようなあのしゃべり方は強烈なインパクトだった。
正直、お世辞にも落語がうまいとは言えず、タレントとしてもどう評価してよいかわからない人だった。若手時代、「男同士でほんまにできるんやろか?」という話になり、笑福亭鶴光と実践を試みた逸話は有名。つまるところ、彼の最大の武器は人間的魅力だったのだと思う。
仲の良かった後輩・北野誠が謹慎を食らった際、ラジオ番組で「何を言うたんや、北野誠? バーニング!」と叫んだざこばさん。選挙特番に出演した際は、公明党の候補者について「落選したのは信心が足らんということですか?」と口にし、場を騒然とさせたシーンも忘れられない。芸とは結局、生き様のことである。それをまざまざと見せてもらった。
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