「ただ食べている姿を観たい人がいることを『孤独のグルメ』が開拓した」松重豊&松岡錠司監督が語るコミック映像化秘話
日刊SPA! / 2025年1月10日 8時48分
松重:ええ、わかります。
松岡:でもね、見守っているうちに、このまま国境も越えて進んでくれと思うようになったんです。つまり『孤独のグルメ』という作品は、簡単に特定の場所に行き着いてはいけない作品なんじゃないか。都会の片隅にある、特定の店に行くというのも、ひとつの旅ではありますけどね。今回は、どこでもないどこか、東京とか日本の僕たちがたやすくわかる環境ではないところにまで、とうとう行ってしまう。まさに冒険です。あの宙吊りの時間帯がすごくよかったですね。説明ではなくて描写の連鎖になっている。
◆五郎は誰かのために何かしようと思ってない
松岡:五郎は、自分が面白いと思ったことを、いい年になってあそこまで追求している。“幸福な人”だと思います。
松重:五郎自身は、自分が孤独だとは思っていませんし。もし「『孤独のグルメ』の主人公ですよ」と伝えたら、「は?」となると思います。「僕は孤独じゃないし」と。
松岡:本人は自分の好きなように店を探し回って、ひとりで食べて満足している。それを客観的に見たときに、ある種の孤独だろうと思うことはあるけれど。いろんなところに行って、渡り歩いて、ひとつの満足を得ている。そうしてただ食べている姿を観たい人(観客)がいることを『孤独のグルメ』が開拓した。ところで後半の話は、最初から構想にあったんですか?
松重:ありました。伊丹十三監督の『タンポポ』もそうですけど、ひとつ「店の再生」というテーマがありました。僕らもドラマで本当にいろんなお店を使わせていただいてきましたが、コロナ禍があって、そうした方たちが苦労しているのを感じていました。やっぱり、なんらかの形でエールを送りたかった。どうしようもなくなっている飲食店が何かのきっかけによって立ち直る画(え)が観たかったんです。しかもそれは五郎が何かやったからというわけではなく。
松岡:やってるんだけど、無自覚だからね。
松重:それも再生させたくてやっているわけじゃない。誰かのために何かしようとか、誰かに捧げようという気持ちは毛頭なくて、運命のようにたどり着いた人たちとの出会いに、気持ちが動いた結果でしかない。意図せぬものになっているという主人公の立ち位置や生き方が、きっとお客さんにも共感されるところなんじゃないかなと。はたから見れば孤独なおじさんかもしれないけど、別に幸せなんじゃないかなと感じられる1時間50分にしたいと思いました。
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