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生成AIに悩み相談をしたら?心はなくとも“会話力と共感力”で人間を超える「AIカウンセラー」の可能性

日刊SPA! / 2025年1月26日 8時52分

生成AIに悩み相談をしたら?心はなくとも“会話力と共感力”で人間を超える「AIカウンセラー」の可能性

画像はイメージです

 生成AIの進化とともに、1960年代の「イライザ」実験から始まり、数多くの研究と実験が行われてきた結果、今ではAIカウンセラーを人間のカウンセラーよりも優れていると感じ始めている人もいるのだとか。
 東京大学の池谷裕二教授によると、「『AIのカウンセラーと人間のカウンセラー、どちらが優れているか』を比較した実験では、驚くべきことに7〜8割の人々が『AIのカウンセリングの方が良い』と答えた」とのこと。

 AIカウンセリングがこれほど支持される理由とは何か。そして、カウンセリングや医療の未来はどうなるのか?

 本記事は『生成AIと脳~この二つのコラボで人生が変わる~』の一部を再編集してお送りする。

◆人間とAI、AIカウンセラーを支持する人が7割以上

 生成AIが人の心を理解できるようになったことで、注目されているのが「AIにカウンセリングができるかどうか」という点です。

 実は、第1次AIブームが起こった1960年代から、AIを用いてうつ病の患者を治療する試みが行われてきました。最初に登場したのは、「イライザ」というAIです。当時は音声出力ができず、簡単なテキストを通じて、画面上で会話するのみでした。結果は意外なもので、そんなシンプルなシステムでも、それでもかなり感情移入ができるものでした。

 日本で一時期ブームになった「たまごっち」のように、画面表示だけのコミュニケーションでも、人間は意外と感情移入しやすいのです。この効果は、AIカウンセラーの名にちなんで「イライザ効果」と呼ばれています。

 その後、AIによるカウンセリングの試みはどんどん発展していきました。「AIのカウンセラーと人間のカウンセラー、どちらが優れているか」を比較した実験では、その結果は驚くべきことに「AIのカウンセリングのほうがよい」と答えた人が7〜8割もいたことです。

 一般的には、悩み相談をするなら人間のほうがよいと思われがちですが、AIが好まれる理由を改めて考えてみると、たしかに納得できる点がいくつかあります。

 まず、AIのカウンセラーは我慢強い点があげられます。患者が長時間相談しても、時計をちらちら見たり、貧乏ゆすりをしたり、飽きたそぶりを見せることはありません。つい顔に出ないのが大きな利点です。失言も、人間よりは少ないでしょう。

 また、人間のカウンセラーに比べて、AIのカウンセラーには、こちらが気後れしづらいという利点もあります。うつ病の方の多くは自尊心が低下しており、「自分なんて生きていなくてもいい」「誰からも必要とされていない」「クズのような人間だ」という思考状態になることがあります。この状態で人間のカウンセラーの時間を長時間拘束すると、「こんな価値のない人間が、忙しい立派な先生の時間を使わせてしまった」と自己嫌悪に陥り、結果として症状が悪化することもあります。

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