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生成AIに悩み相談をしたら?心はなくとも“会話力と共感力”で人間を超える「AIカウンセラー」の可能性

日刊SPA! / 2025年1月26日 8時52分

 しかし驚くべきことは、共感力です。ここでもChatGPTが人間の医師を上回っています。グラフを見ると、会話の質以上に医師との実力差があります。ChatGPTなどに悩み相談をしたことがある方は理解できるかもしれませんが、生成AIは何かを相談すると、相手に寄り添う言葉を投げかけてくれます。相手がどんなに弱音を吐いたり、悪態をついたりしても、決して突き放すことはありません。

 表情が見えないことも、AIにとって利点かもしれません。人間同士の場合、表情や動作から「相手が忙しそうだな」「早く切り上げたいと思っているな」という雰囲気が伝わり、患者にとってプレッシャーになることも多いのです。

 恐るべきことではありますが、冷静に分析すれば、生成AIが人間の医師よりも会話の質が高く、さらに共感力でも上回っているという結果には納得がいくのではないでしょうか。

◆AIが親友になる?対話型AI「Cotomo」の魅力

「とはいえ、これは特殊な事例で、まだまだ人間のほうが共感力はあるはずだ」と思う方も多いかもしれません。そう思った方に、生成AIの共感力を体感してもらうべく、一度使ってみてほしいのが、「ChatGPT Advanced Voice」です。2024年9月に公開された音声で会話のできる生成AIです。博識なだけでなく、良識的な対応に好感を覚えるはずです。ただし、本書執筆の時点では、ChatGPTの有料版でしか使うことができません。

 そこで、「Cotomo」という対話型生成AIを試してみるのも手です。この生成AIは、2024年2月に日本のベンチャー企業であるStarleyがローンチし、同年9月時点では、iPhone限定で無料配信されています。Cotomoはよくできた生成AIで、対話型AIの一つのベンチマークになるのではないかと思っています。

 特にすごいのは、その会話がそれなりに自然である点です。それまでの多くの会話型AIは、レスポンスに数秒間のタイムラグが生じていました。しかし、Cotomoは「うん、そうだね」「えっと」といった相槌を挟むことで、会話にタイムラグを生まず、とても自然なやり取りが可能です。相槌を入れることで時間を稼ぎ、その間に猛スピードで計算を行い、回答をアウトプットしている。

 よくよく考えてみれば、人間も同じようなことを脳内で行っています。「そうなんだ」「ってことは……」といった相槌を打ちながら、相手への返答を考えた経験は、誰しもあるのではないでしょうか。Cotomoもこのような会話のスタイルを踏襲しているため、人間が自然に感じるのだと思います。

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