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元子役・読者モデルの今。芸能界の厳しさも痛感、“歯科医師”としての新たな挑戦「20歳の女性が口を開けたら、歯がほとんどなくて」

日刊SPA! / 2025年2月5日 8時52分

「オーディションは覚えていないぐらい行きました。ただ、結果としてはぜんぜん残せなかったですね。現場を知るためにエキストラもたくさんやったのですが、テレビを見ているだけではわからなかった部分も見えてきて。

 当然ですが、きちんと役のある女優さんと、ちょっとセリフがあるだけの人、エキストラでは扱いがまったく違ってくるので。芸能界って厳しいんだなって」

◆「なかなか芽が出ない」テレビを見ていて“歯科医師になろう”と決意

 そんななかで、歯科医師兼タレントとして活動する“現在”につながる出来事があった。

 芸能界では、早いうちから結果を出さなければいけない……。そんな焦りから、野尻さんはなかなか芽が出ないことに悩んでいたという。

 高校の先生に進路相談した際、こんなことを言われたんだとか。

「先生からは『たぶん君は普通の会社に就職しようと思ってもうまくいかない。一生自分の武器になるような資格を取ったほうがいい』って。それで手に職をつけたいと思ったんです」

 そんなとき、テレビに映っている歯科医師を見てハッとした。

「女医さんがコメンテーターとして出演していたのですが、すごくカッコいいと思ったんです。そうか、歯のお医者さんもいるんだなって。

 姉が医療系なので、私もなんとなく良いかもなって気持ちがあったのですが、もしも医療系に進むとなれば、学費がネックですよね。うちは実家がお医者さんとかではないので。両親に『歯医者さんになりたい』と話した際も一度は『学費が高いからダメ』って言われて諦めかけたのですが、ちょうど朝日大学の歯学部が学費を大幅に下げたタイミングで。両親からも『ここなら払えるよ』って。それならば、とにかく留年しないようにがんばって勉強しようと思ったんです」

 偶然が重なり、まるで運命に導かれるように野尻さんは歯科医師の道へ進むことになったのだ。

◆「20歳の女性が口を開けたら、歯がほとんどなかった」

 その後は朝日大学に進学し、雑誌やカタログ、ECサイトのモデルなどをやりながら勉学に勤しんでいた。

 研修中には、歯科医師として“原点”とも呼べる大きな体験があった。

「5年生になると病院に行って臨床実習をする“ポリクリ”が始まるのですが、そこで衝撃を受けました」

 20歳の若い女性患者が来院し、野尻さんは“ちょっと虫歯の治療かな?”くらいに思っていたが、実際は想像を絶する状態だった。

「口開けてみたら、歯がほとんどなかったんですよ。ブリッジ(歯を失った部分の両隣を削り、橋渡しするように被せ物をする治療)できる歯も残っていなくて。かといって、インプラント(人工歯根を埋め込む治療)は非常に高額なので本数的に支払えないだろうなって。私は、先生の近くで“これは一体どうするんだろう?”って見ていました」

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