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牛乳パックのリサイクルに“異様にこだわる”夫。臭いを気にして水洗いをした妻に「感謝どころかモラハラを行う」心理

日刊SPA! / 2025年2月7日 15時52分

 それを聞くとAさんは、「…………あ!……言われてみれば……確かに……そうかも……」と一言一言かみしめるように答えてくれました。

 僕は、一呼吸置いて次のように提案してみました。

「Aさんは、もう既に自分のニーズをパートナーにケアしてもらっているのですから、それに対して感謝することだってできるはずですよね。今、Aさんがパートナーにしてもらっていることは、牛乳パックの件に限らず、何一つとして当たり前のことではありません。『加害しない』とか『ケアしよう』とかあまり難しく考え過ぎないで、まずは、シンプルに感謝の言葉を伝えてみるのはどうでしょうか?」

 Aさんは、少し沈黙した後、
「……そうですね。パートナーに感謝の気持ちを改めてはっきりと伝えることにチャレンジしてみます」と、静かに答えてくれました。

◆相手の考えや厚意をないがしろにするのも十分に「加害行為」である

(被害者かもしれないあなたへ)
 もしもあなたが、相手の意向に「喜んで、主体的に」従わなければいけないと思い込まされているとしたら、一緒にいることが辛くなってくるかもしれません。それは決してあなたが悪いわけではありません。身近な人に相談しても「それくらい普通でしょ」とか「大袈裟な……」とか、ひどいと、逆に「あなたにも問題があるのでは?」などと言われることもあるかもしれません。
 
 くれぐれも一人で抱え込まずに、早めに専門家へ相談してみることをお勧めします。

(加害者かもしれないあなたへ)
「加害」とは、相手への直接的な暴力・暴言だけに限定されません。相手の厚意や、感じ考えていることなどを軽視し、蔑ろにすることも、重大な「加害」です。

「自分は正しい」「相手が間違っている」と思えるときにこそ、相手が、なぜ、そのように感じ考え、行動しているのかといった、相手の価値観や背景などを知ろうとすること、そして、それらを尊重していくことが重要になります。自分の価値観や考えなどを一旦脇に置き、自分以外の視点から改めて考え直してみることで、相手や自分自身の、本当の価値観やニーズに気づくこともよくある話です。

 また、加害者には、以前の記事『不幸や孤独を脱するためには、「愛されること」よりも「愛を受け取る能力」がより重要な理由』で述べたように、既に与えられている愛情に気づけない人が少なくありません。

 相手と真に「持続可能な人間関係」を築いていくために重要なことは、自分勝手な期待や理想、あるいは世間の常識などを振りかざし、相手に文句や皮肉を言ったりすることではありません。今、もう既にあなたが受け取っていることに改めて気づき、感謝の気持ちを具体的に伝えていくことなのです。

【えいなか】
DV・モラハラなど、人を傷つけておきながら自分は悪くないと考える「悪意のない加害者」の変容を目指すコミュニティ「GADHA」代表。自身もDV・モラハラ加害を行い、妻と離婚の危機を迎えた経験を持つ。加害者としての自覚を持ってカウンセリングを受け、自身もさまざまな関連知識を学習し、妻との気遣いあえる関係を再構築した。現在はそこで得られた知識を加害者変容理論としてまとめ、多くの加害者に届け、被害者が減ることを目指し活動中。大切な人を大切にする方法は学べる、人は変われると信じています。賛同下さる方は、ぜひGADHAの当事者会やプログラムにご参加ください。ツイッター:えいなか

―[モラハラ夫の反省文]―

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