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「客単価は2,000円」“ガンダムオタク”に愛されたバーの店主が、「値上げができず、閉店を決意した」理由

日刊SPA! / 2025年2月8日 15時52分

中野エリアは都内でも指折りの繁華街なだけに、店舗の移り変わりも非常に激しい。開店当初も近隣で一足先に営業していたバー関係者らが来店し、「もって3ヶ月」「半年」などと挑発……もとい激励してきたらしいが、それらの店舗はことごとく経営難で早々に撤退していったという。

にぎやかで騒がしく、楽しみいっぱいな中野という街の、その裏にある厳しさが垣間見える。

◆コンセプトが固まっていたから、10年間続けられた

激戦区で長期経営ができた理由について、ひとつは「ガンダム」「ガンプラ」「プラモ」というコンテンツ軸が一貫していたことではないかと、小山さんは語った。中野エリアにアニメ関連コンセプトの飲食店は数多いが、意外にも「ガンダム」「ガンプラ」をテーマにしたバーは「プロフェッサーTK」だけだという。

「ガンダムバー自体は全国に結構あるんですけど、ガンダムという作品自体が好きな人か、(アムロやシャアなどの)キャラクターに惹かれて入ってきた人か、『エクストリームバーサス』みたいなゲームが好きな人かで、狙いがかなり変わってきます。僕はプラモのコレクターだから、ガンダムの店というより『ガンプラの店』『プラモデルの店』とずっと言い続けてきて、ブレなかった。そうしたコンセプトが最初に固まったのが良かったんじゃないかな」

また、ガールズバー的な方向にシフトし過ぎて、コンセプトの主軸が迷走してしまう店も多いらしい。そうしたこともなく、店舗の雰囲気が安定していたことがプラスに働いたのだろう。

加えて、小山さんは自身について「僕って意外とオタクとして『薄い』んですよ」とも語っている。正直、筆者からはとてもそうは見えないのだが……しかし、ここにもオタク相手に接客業を続けてきたゆえの、小山さんの配慮が見て取れた。

「分からないことは分からないし、自分よりずっと造詣の深い人達を相手に、知ったかぶりをしないことは10年心掛けてきた。だから本当のプロの方も来てくれたんじゃないかと思ってます。僕は逆にど素人で良かったなと」

常連客のなかには小山さんより年上で、小山さんよりガンダムやプラモへの知識や造詣が深い、より「濃い」オタクも珍しくない。そうした人々に過度な私見や熱をぶつけ過ぎず、フラットな目線で接しているからこそ、この店は数多のガンダム・ガンプラオタクが自由にくつろげる受け皿として機能していたのだ。

◆閉店後のコレクションの行方は…

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