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「客単価は2,000円」“ガンダムオタク”に愛されたバーの店主が、「値上げができず、閉店を決意した」理由

日刊SPA! / 2025年2月8日 15時52分

「プロフェッサーTK」閉店の理由については、契約上の都合でテナント利用の更新が困難になったことや、年齢面・家庭面の事情など、いろいろな背景があると小山さんは言っている。閉店の期限は既に決められており、それまでに店内を撤収可能な状態へキレイに片付けなければならない。

店内物品の処遇については前述のとおり未定とのことだが、どうすべきかの方針やイメージについて尋ねてみたところ、客が作ったガンプラ類はなるべく作った客へ返却するが、どうしても止むを得ないものはホビーショップに売却することも検討しているそうだ。

「中野であれば、ブロードウェイ内の「まんだらけ」さんに出張で来てもらえばいい。プレミアが付いているものは相応の価格で買い取ってくれるから、そこはやっぱ中野のメリットって感じですね」

以前も2020年以降のコロナ禍当時、店舗収入の激減を補填するために、貴重なコレクションの一部を売却せざるを得なかったという。

「今でも多いけど、以前はもっと山脈のようにガンプラが積んであったんです。当時は今以上にガンプラが品薄だったから、すごく高く買ってもらいましたよ」

そうしたなかで「『これだけは売りたくなかった!』という品はありますか?」という、コレクター相手には若干イジワルな質問をしたところ、本当に持っておきたい家宝クラスのものは手放すことなく、しかるべき場所に保管しているとのこと。

「そういう物はもう絶対に売りたくないから、ちゃんと家に抱き抱えてありますんで、棺桶に入れてもらおうと思ってます(笑)」

一方、客が作ったガンプラを返却するのは後のトラブルにならないようにするため。だが、小山さんが頼んでもなかなか持って帰ってくれないという。客としても、ガンプラをお店に預けた時点で「このガンプラはお店のもの、皆のもの」という気持ちが働くのだろうか。

◆一流業界人と一介のオタクが一緒になって遊べる店だった

10年間の経営で印象的だったこと、良かったことを聞いてみたところ、小山さんは何よりも「出会い」を挙げている。

「プロフェッサーTK」が多くのガンダムオタクやガンプラ・プラモデルファンに愛されたことは、店内にある膨大なコレクションが物語っている。加えて、店舗には有名な声優やアニメーター、アニメコンテンツ関係者なども数多く来店した。

「福島にいては接点がなかっただろう業界の方々とたくさん会えたのは、10年やってきて本当に良かったなぁと思いますね。サイン色紙も100を越えるくらいあって、福島に帰ったらそれを一枚一枚見て老後を楽しみたいとは思いますけど(笑)」

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