カレー研究家・小野員裕「紅花、サンギュリエ、ザ・カリ…大阪だと渡邊カリーがオススメ!」麻美ゆまのあなたに会いたい!(後編)
日刊大衆 / 2024年4月13日 12時0分
前回に続き、カレー評論家の小野員裕さんとの対談です。
これまで4000軒以上のカレー専門店を食べ歩いている小野さん。カレー好きになったキッカケが、小学校時代の給食のカレーだったというところも、昭和を感じさせるエピソードで面白かったです。
そこで今回は、小野さんにオススメのお店を教えてもらうことにしました!
■お肉たっぷりの京橋モルチェ
ゆま「まずは、男性が好きそうな、お肉たっぷりのカレーから教えてください」
小野「いろいろあるんですが、真っ先に思い出したのは、『京橋モルチェ』(東京都中央区)の“南部とりカレー”ですね。骨付きの鶏なので、さばくのは面倒ですけど、やっぱり肉は骨付きがうまい」
ゆま「おおっ。がっつり肉を食べられますね」
小野「カレーの味は南アジアカレーに似ていますね。焙煎されたたっぷりのタマネギにバランスの整ったスパイス感があって、独特なハーブの香りがやや前面に出ていて実にうまいです」
ゆま「お話を聞いているだけで、おなかの虫が鳴いてきます(笑)」
■スリランカ産スパイスの激辛
小野「同じく中央区日本橋にある『紅花』の“ココットカレー”も、おいしいですよ。ここは鉄板焼き屋さんなので、肉もうまい。カレーは大きな壺に入っていて、鉄板の上に置かれるんです」
ゆま「鉄板焼き屋さんでカレーなんて最高ですね!」
小野「壺を開けると、カレーと具がたっぷり。しかも、スリランカ産スパイスの激辛で、サラサラしているんですね。これをライスにかけて食べるんですが、あまりのうま辛に、ライスをおかわりしてしまうほど。炭水化物を取りすぎてしまいますね(笑)」
ゆま「それは危険ですねー。この2軒は洋風カレーでしたが、インドカレーのオススメも教えてほしいです」
■鶏から出汁を取った力強いうま味
小野「まず、芝公園にある『サンギュリエ』。ここの“ムルギーカレー”は、中央に骨付き鶏モモ肉が一本ドーンとのっていて、目の前に運ばれてくるだけで、よだれが出そうになります。
カレーはサラサラなのに、鶏から出汁を徹底的に取っているのか、力強いうま味があります。そして、鶏肉がすごく柔らかくて食べやすいので、あっという間に完食しちゃいますね」
ゆま「めっちゃ汗かきながら、がつがつ食べたい」
小野「アハハ。ビーフカレーでは新橋の『ザ・カリ』がオススメです。茶褐色のソースで、けっこうからいし、さらにカイエンペッパー、ブラックペッパーなどで鋭利な辛味を強調しているんです。食べると、じわじわと辛味が口中に広がり、汗も出てきます」
■東京以外にも!全国の名店
ゆま「いいですねー。東京のお店以外で、オススメはありますか?」
小野「もちろん、山ほどあります。大阪は『渡邊咖喱』。有名なお店ですが、ここのスパイスとんかつカレーは、ボリュームたっぷりで食べ応えは十分。サラサラとしたカレーをソースのようにかけて食べると、本当にうまいですね」
ゆま「かつカレーは好きな男性が多そう」
小野「九州地方だと、福岡の『不思議香菜 ツナパハ』。スリランカの家庭料理のお店で、スリランカカレーもけっこうからいですけど、やみつきになるうまさです。
北は北海道の帯広市にある『カレーリーフ』。ここは刺激的というより“優しい味”で、南インドなどに自生して独特の香りの植物“カレーリーフ”を、スープの仕上げに入れるのが特徴です」
ゆま「旅行の際は、食べに行きたいです。他にも全国のオススメカレー屋さんは、小野さんのブログにたくさん紹介されているので、読者の方も読んでみてくださいね」
■家で作るときの隠し味
ゆま「あと、個人的に聞きたいことがあって、家でカレーを作るとき、これを隠し味に入れるといい、みたいなものはありますか?」
小野「そうですねー。スパイスだけを使ったインド系のカレーなら、ノンシュガーの“ピーナッツバター”をちょい足しすると、すごくおいしくなります」
ゆま「へえー。甘くないピーナッツバターということですか」
小野「そうなんです。ただ、無糖のピーナッツバターはなかなか普通に売っていないので、ネットで購入するのが一番です」
ゆま「ありがとうございます! やってみます。最後に、小野さんは最近も本を出されたんですね」
■ネットにも載っていない中華そば
小野「はい。カレーとは違うんですが、2月28日に『一生食べ続けられる中華そば』(八重洲出版)というムック本を出させてもらいました」
ゆま「中華そばって、昭和の味って感じですよね」
小野「まさにおっしゃる通りで、僕たちの世代が子供の頃に、近所の町中華や、おそば屋さんで食べていた、昔懐かしのしょうゆラーメンです」
ゆま「私も町中華のラーメン、好きです。なんかホッとするおいしさですよね」
小野「はい。ただ、残念ながら時代とともに、懐かしの中華そばを出している店が少なくなっているんです。取材を申し込んでも“跡継ぎがいないから、店を畳むんです”といったところが多く、今回も100軒、取材依頼をさせていただいたんですが、うち50軒は掲載を断られたんです」
ゆま「寂しいですね。でも、そんな中で、この本には50軒ものお店に協力いただいて、紹介されているんですね」
小野「ネットにも載っていない店がほとんどです。ぜひ読者の方も、これを参考に、懐かしの中華そばを食べに行ってみてください」
ゆま「今日は、ありがとうございました!」(おわり)
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