WWDC 2022で発表された最新OSで「できるようになること」を解説
Techable / 2022年6月10日 12時0分
アップルは、7日(日本時間)にWWDC(世界開発会議)を開催。「iOS 16」や「iPadOS 16」「watchOS 9」「macOS Ventura」といった、各デバイス向けの最新OSを発表しました。
開発者向けイベントという色合いが濃いWWDCですが、アップルは最新のPC向けチップである「M2」も披露。これを搭載する「MacBook Air」や「MacBook Pro」も発表されており、2機種は7月に発売される予定です。
「ステージマネージャ」で切り替えをラクにiPhoneやiPad、Apple Watch、Macなど、幅広い製品を展開するアップルだけに、その内容も多岐に渡っていました。そんななか、アップルは製品ごとの特長を生かしつつ、アップルらしい共通性を持たせようとしていることがうかがえます。
代表的なのは、iPadOSとmacOSの両方に採用される、「ステージマネージャ」です。
ステージマネージャとは、画面上に広がったウィンドウを簡単に切り替えられる機能のこと。複数のウィンドウをペアにしたものを、画面左に表示されるサムネイルで選択できるユーザーインターフェイスになっています。言葉で説明すると、何やら複雑そうに聞こえてしまうかもしれませんが、画面のとおり、見た目はシンプルです。
たとえば、スケジュールを参照しつつ、Safariで調べ物をして、それをメールの文章に書く場合は、カレンダーとSafariとメールの3つを立ち上げているはずです。
また、何かしらの文章を書く際には、Wordなどの文書作成ソフトとExcelなどのスプレッドシート、またSafariなどを起動しているはずです。下書きをメモしていた場合、メモアプリも必要になるかもしれません。これらのアプリでペアを作っておき、簡単に切り替えられるのがステージマネージャです。
iPadでも自由にウィンドウを展開可能macOSに関しては元々マルチウィンドウをサポートするPC向けのOSのため、そこまで目新しさはないかもしれませんが、この機能がiPadOSにも採用されるのは、大きなトピックです。
iPadOSも進化の過程でマルチタスク機能を強化してきましたが、MacなどのPCと比べると何かと制約もあり、自由にウィンドウを展開することができなかったからです。
また、対応しているアプリであれば、ウィンドウのサイズを自由に変更できるようになります。これまでのiPadOSでも、画面を分割したり、メインで使うアプリの上にもう1つウィンドウを重ねたりといったマルチタスク機能はありましたが、その使い勝手がよりMacなどのPCに近づいたと言えるかもしれません。
さらに、外部ディスプレイへの出力もサポートされ、それぞれの画面にステージマネージャでアプリを配置できるようになります。
一見同じように見えるmacOSとiPadOSのステージマネージャですが、macOSの方が並べられるウィンドウの数に制約がなく、一方のiPadOSはタッチパネルでの操作に最適化されています。
また、アプリ起動時の画面は非常に近くなった一方で、iPadにはPCのようなファイルやフォルダを置いておくための「デスクトップ」はありません。こうした違いから、アップルがユーザーインターフェイスに共通性を持たせつつ、デバイスの特徴を生かした形で進化をさせようとしていることがうかがえます。
iOS 16はロック画面が大幅刷新iPhone用のiOS 16は、ロック画面の刷新が最大の目玉です。
ベースは同じiOSとiPadOSですが、この機能はiOSのみの対応。よりパーソナルなデバイスとして、常日頃から持ち歩くiPhone用に、カスタマイズ性を重視した格好です。新しいロック画面は、写真を大きく見せられるレイアウトになっており、フィルターのような加工を加えることも可能。
時計のフォントや色をカスタマイズすることもできます。
さらに、ウィジェットとして、アイコンのようなサイズのアプリを配置できるようになります。ロックを解除する必要なく、アクティビティの進捗状況やスケジュール、接続しているAirPodsなどのバッテリー残量を確認できるようになるというわけです。どこかで見たことがあるようなスタイルですが、デザインは、Apple Watchに採用されているコンプリケーションに似ています。
先に挙げたiPadとMacの例のように、iPhoneとApple Watchというデバイスをまたがってユーザーインターフェイスに共通性を持たせたのがiOS 16の新しいロック画面です。
スマホの画面が腕時計にとって代わり、時間を確認するための主要な端末になったことをふまえると、Apple Watchを参考にロック画面のユーザーインターフェイスを刷新するのは自然な流れと言えるかもしれません。
動画内の文字も読み取れるようにまた、iOSでは、AIを活用した機能がさらに進化しています。
その1つが、「Live Text」と呼ばれる画像内の文字を認識する機能。これまでは静止画が対象でしたが、iOS 16からは動画内の文字も読み取れるようになります。
日本限定の話になりますが、iOS 16ではついにLive Textが日本語に対応するため、利用するユーザーはさらに増えそうです。写真の人物を切り抜く機能も、AIを活用したものです。
ここまで見てきたように、WWDCで発表された各OSは、アップル製品としての共通性が高められたのと同時に、デバイスごとの特徴を生かす形で進化をしています。
正式なリリースは、秋ごろを予定していますが、iOSやiPadOSは、従来通りであれば、新型iPhoneの発売直前になるはずです。各OSのパブリックベータ版は7月に配信を開始する予定。あくまでベータ版ではありますが、一足先に最新OSに触れたい人は、予備のデバイスを用意してその配信を待ってもよさそうです。
(文・石野純也)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「Safari機能拡張」はどうやって導入するの? - いまさら聞けないiPhoneのなぜ
マイナビニュース / 2024年4月21日 11時15分
-
Jamf、企業のセキュリティ・コンプライアンスのニーズに対応する製品イノベーションを発表
PR TIMES / 2024年4月11日 14時15分
-
NVIDIAのAIチャットbot「ChatRTX」に複数の脆弱性/ARM版に最適化されたGoogle Chromeが登場
ITmedia PC USER / 2024年3月31日 6時5分
-
実はアップルが「圧倒的優位」に立っている分野 EV撤退、AI開発出遅れでも撒いている種
東洋経済オンライン / 2024年3月28日 7時30分
-
スマートタグの新製品「ATOM Smart Tag」3月27日から販売を開始
PR TIMES / 2024年3月27日 11時45分
ランキング
-
1[Windows]キー使ってないの? Windows 11で覚えたいショートカット操作10選
&GP / 2024年4月25日 21時0分
-
2「君たちのお母さんじゃありましぇーーん!!」 一時預かり中の子猫たちに吸われまくる先住猫、心の叫びに爆笑
ねとらぼ / 2024年4月22日 7時5分
-
3「なにしてんの!?」「みんな引いてる」 「ラヴィット!」出演者が総額300万超えの高級腕時計購入でスタジオ騒然
ねとらぼ / 2024年4月25日 20時55分
-
4英国アカデミー「最も象徴的なゲームキャラクター」ランキング発表、ララ・クロフトがマリオ超え
マイナビニュース / 2024年4月25日 23時47分
-
5『Dead by Daylight』にて光の点滅・フラッシュに関する問題が発生中―公式では光過敏症やてんかん症状などを持つプレイヤーに対して注意を呼びかけ
Game*Spark / 2024年4月25日 23時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください