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井上尚弥、攻撃的なネリを「どう潰すか」 世紀の初回3分間は絶対に見逃せない「大事なのは…」

THE ANSWER / 2024年4月11日 6時43分

31歳の誕生日を迎えたこの日、練習を公開した井上尚弥【写真:浜田洋平】

■井上陣営も初回の重要性強調「史上最高に緊張感ある第1Rになる」

 ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が10日、神奈川・横浜市内の所属ジムで練習を公開した。5月6日に東京Dで元世界2階級制覇王者ルイス・ネリ(メキシコ)との防衛戦を予定。公開練習は試合10日ほど前が通例だが、今回は31歳の誕生日当日にした。注目される試合の鍵は「初回」になりそうだ。井上と陣営が揃って重要性を口にした。戦績は井上が26勝(23KO)、29歳のネリが35勝(27KO)1敗。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

 ◇ ◇ ◇

 初回から目が離せない。いや、初回こそ目を離してはいけない。

 5万人近い観客の視線が集まる東京Dのリング。井上はネリ戦を思い描いた。

「危険やリスクもあるけど、白熱した試合になると思います。(前戦の)タパレス戦より驚くべき結果になる」

 サウスポーのネリは前に出て手数を出すタイプ。井上が戦ったバトラー、フルトン、タパレスの直近3人はあまりの攻撃力を警戒し、ディフェンシブに試合を進めた。井上陣営の大橋秀行会長は「ネリは相手を倒しにくる。距離を取るわけじゃない。今までの相手だとドネア以外にいない」と強調し、「危険な相手」と警戒した。出だしこそが注目だという。

「日本ボクシング史上最高に緊張感のある1ラウンドになると思います。ネリが出てきて、井上が迎え撃つことになるのでは。井上本人の感覚でそこで勝負に出るかもしれないし、かわすかもしれない。井上が本領発揮できる相手です。その分怖いですが、面白いですよ」

 ネリが攻撃的に出てくれば出てくるほど、「惑星No.1」とも称されるモンスターの一撃が炸裂する可能性が高い。普通のボクサーは試合序盤に相手との間合いを測ったり、狙い目を探したり、情報を得るため慎重に時間を使う。井上も「大事にしているのは初回と2回の出だし」と情報収集するが、この精度がとてつもなく高く、早い。だから、70秒KOなど異次元の試合を演じてきた。

 これは普段のスパーリングから磨かれている。国内外から招聘したタイプの異なる相手と対峙した時、「次戦の相手」よりも「目の前の相手」をどう攻略するか意識している。父・真吾トレーナーも「いろんな選手とやっているので、尚弥の見切りは早い」と証言。今回もネリの母国メキシコから呼んだ独特のタイミングを持つパートナーたちを倒してきた。


会見でTシャツの説明をする井上【写真:浜田洋平】

■特製Tシャツはホワイトタイガー柄「シマウマじゃないです」

 ネリの唯一の黒星はボディーへの悶絶KO。このシーンが印象深く、「ボディーが弱い」とされているが、井上は否定しながら挑戦者を警戒した。

「皆さん、『ボディーが弱い』と言うけど、あのタイミングなら誰でも倒れると思います。なので、そこまで意識していないです。(ネリは)スピードがないですよね。そのスピードのなさが自分のボクシングにどう“ズレ”を生むのか。スローだとタイミングが掴めないところもあるんですよ。それをどうするか。

 攻撃に目が行きがちですが、意外と打たれ強さもある。荒々しいボクシングの中で防御の細かい上手さもある。対峙した時の空間の使い方も上手い。(対策は)自分の距離感を当てはめること。接近戦でも戦えるようにします。あとはそれ(攻撃的なネリ)をどう潰すか。足で外すか、逆に攻撃で潰すか。あとは当日(情報を)取り入れます」

 やはり、初回が大事になりそうだ。この日はシャドー2回、サンドバッグ2回を披露し、キレのある動きで汗を流した。スパーはここまで87回消化。試合までに100回は超えるという。

 さらに黒い生地に白文字が入った興行用Tシャツを作成した。白文字の中に描かれた柄は、ネリの異名「パンテーラ(黒豹)」に対抗したホワイトタイガーをイメージ。「でも、周りにはゼブラって言われる。シマウマじゃなくてホワイトタイガーです」と苦笑いし、大橋会長にも「シマウマじゃ食われちゃうよ(笑)」と突っ込まれた。

 ネリは体重超過やドーピング歴があったため、大橋会長は不測の事態に備えて異例のリザーバーを用意。第1試合でスーパーバンタム級8回戦が行われ、元IBF世界同級王者TJ・ドヘニー(アイルランド)がブリル・バヨゴス(フィリピン)と対戦する。井上―ネリ戦で欠場者が出た場合、ドヘニーがもう片方の選手と戦う。

 井上は世界2人目の2階級4団体統一を果たしたが、バンタム級では防衛することなく返上。4団体防衛戦は初めてだ。長く歩くことが想定される東京Dの入場。「意味合いが深い。4つのベルトを持って入場するシーンを日本の方に見せられる。一つの見てほしいシーンです」。期待されるのはド派手なKOだ。

「どのパンチでも倒せるように準備している。そうなるべく仕上げています。5万人近い声援はかなりプラスに働く。その声援をもとにとてつもない試合をしたい」

 今年は3試合を想定。2024年初戦はドームで歴史的花火を打ち上げる。

○…Amazon プライム・ビデオにて「Prime Video presents Live Boxing」の第8弾として独占生配信される。井上―ネリ戦のほか、元K-1王者・武居由樹(大橋)がWBO世界バンタム級王者ジェイソン・マロニー(豪州)に世界初挑戦。井上の弟のWBA世界同級王者・拓真(大橋)が同級1位・石田匠(井岡)と2度目の防衛戦を行う。WBA世界フライ級王者・ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)は同級3位・桑原拓(大橋)と初防衛戦。同じ興行で世界戦4試合は国内史上最多の規模となる。(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)

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