井上尚弥の2025年挑戦者3人に言及 代役キム→若手ホープ→元王者、大橋会長「その辺りで行く」

井上尚弥【写真：中戸川知世】

■大橋ジムが会見

　ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥の所属する大橋ジムが11日、神奈川・横浜市内の同ジムで会見した。24日の4団体防衛戦（東京・有明アリーナ）で井上と対戦予定だった挑戦者のWBO＆IBF1位サム・グッドマン（オーストラリア）が左目上を再び負傷。対戦中止となり、代役としてWBO11位キム・イェジョン（韓国）と戦うことに。陣営の大橋秀行会長は今年の試合計画にも触れた。戦績は31歳の井上が28勝（25KO）、32歳のキムが21勝（13KO）2敗2分。

　グッドマンの負傷により代役はキムに決定。もともとリザーブ選手として同興行の第1試合に出場予定だった。大橋会長は「もうすぐ発表する予定でした。キム選手に感謝です」と安堵。「いい試合になるように期待したいと思います」と話した。

　当初は12月24日に有明アリーナで対戦予定だったが、グッドマンが来日直前のスパーリングで左目上を裂傷。試合10日前に1か月後への延期を発表した。井上陣営はリザーバーとして興行の前座に同じ階級の世界ランカー2人の試合を組む方針を決定。試合13日前のこの日に相手陣営がグッドマンの再発により対戦を中止すると発表した。

会見に出席した大橋秀行会長【写真：浜田洋平】

　井上は4月か5月頃に米国で大型興行を予定。9月頃に莫大な資金力を持つサウジアラビアでの試合計画が浮上している。大橋会長は会見後にも取材に応じ「今回はこういう事態になりましたけど、あとはピカソ、アフマダリエフ。その辺りで行くと思います」と説明。あくまで暫定的なものだが、今後3試合の対戦相手の名前に言及した。

　24歳のアラン・ピカソはWBC同級1位のメキシコ人ホープ。31勝（17KO）1分けで無敗を守り、将来の世界王座戴冠が期待されている強敵だ。

　ムロジョン・アフマダリエフ（ウズベキスタン）は元WBA＆IBF統一王者。井上が2023年12月にKO勝ちしたマーロン・タパレス（フィリピン）と同年4月に対戦し、判定負けした。しかし、昨年12月のWBA暫定王座決定戦で勝利を収め、指名挑戦権を持つ井上戦をかねて熱望してきた。

　破格のファイトマネーが確実な井上戦を望む選手は多い。井上は各団体に義務付けられた指名試合をこなさなければならないが、大橋会長は2団体で指名挑戦権を持っていたグッドマンについて「きっちり傷を治して、また機会があれば戦えればと思います。指名試合を維持しておけばですが」と話した。（THE ANSWER編集部）