井上尚弥の米国進出めぐり英国でも大激論 元世界王者「サウジアラビアでも行われている」
東スポWEB / 2024年4月20日 19時31分
ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者、井上尚弥(31=大橋)を巡る〝米国進出論争〟で、ボクシング界の第一線で活躍する人物たちが激論を交わした。
発端は元WBC世界ウエルター級王者のショーン・ポーター氏(36)が井上について「(スターになるには)米国に来て、米国人を倒さなければならない」などと指摘。それを受けて井上が自身のSNSで「今や軽量級の本場は日本にある」などと反発し、米メディアも巻き込んで大論争に発展した。
そうした中、今度はボクシング界のもう一つの〝中心地〟でもある英国にも飛び火。英メディア「ボクシングニュース」が、識者4人を招いて「井上が本物のスターになるためにはアメリカで戦う必要があるのか?」をテーマに座談会形式で討論した。
まず、米国進出の〝推進派〟でトレーナーのゲイリー・ロケット氏は「ポーターの言っていることは理解できる。最も大きいビッグマッチは常にラスベガスかマディソン・スクエア・ガーデン(MSG)で行われてきた。そこではより多くの幅広い観客がいるし、もし井上がアメリカに行ったらスーパースターになれると私は思うんだ」と主張した。
ただ、トレーナーのゲイリー・ローガン氏は「ショーン・ポーターは、アメリカ人の観客がいなければ、それは観客ではないと考えていると思う。それに関してはショーンの意見に同意できない」と否定的。そしてプロモーターのジェイミー・コンラン氏も続く。
「私は完全に同意しない。井上尚弥は世界的なスーパースターだ。ショーン・ポーターの言っていることは理解できるが、アメリカは世界がアメリカを中心に回っていると考えている。そうではないことがゆっくりと、しかし確実に見えてきている。井上が世界中で観客を集めることは、彼がアメリカで戦う必要がないことを証明している」と持論を展開した。
そして、元WBOミドル級王者で現在はトレーナーに転身したアンディ・リー氏も「井上は最高になりたいし、彼は最高だ。スターであり、日本ではソールドアウトとなっている。10年前、5年前には、アメリカを打破しなければならないという議論があったが、ボクシングの状況は変わり、ボクシングは非常に世界的なスポーツになった。大規模な戦いはもはやアメリカではなく、サウジアラビアや他の場所でも行われているので、私はポーターの指摘には同意できない」とボクシングの中心地は米国ではないと強調した。
こうした議論が世界各地で起こることが、井上のスター性を示す証しと言えそうだ。
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