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独女の「結婚観」は古風?「結婚」へのイメージが実際にあたえる影響とは

LIMO / 2019年8月12日 21時10分

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独女の「結婚観」は古風?「結婚」へのイメージが実際にあたえる影響とは

「結婚」、誰しも1度は考えたことがあるだろう。

「結婚は必ずしたい」「結婚なんてしたくない」「子どもは男女1人ずつ欲しい」「DINKsでいたい」…など、人それぞれ考え方があるが、共働き世帯や生涯未婚率が増加する現代では、「結婚も選択肢の一つ」と捉えている方が多いのではないだろうか。

それでも実際に妊娠・出産する女性にとっては、結婚・出産がライフプランに大きな影響を与えている。また結婚後の家事労働においても、女性が多くを担っている現実がある。若いころから結婚・出産について真剣に考えている女性は多いはず。

ここでは、女性が抱く「結婚へのイメージ」が実際に「結婚する/しない」を決める上で影響を与えているのかどうか、考えてみたい。

「結婚したい」9割は本当?

国立社会保障・人口問題研究所「第15回出生動向基本調査 結果の概要」によると、「いずれは結婚するつもり」の男性(18~49歳)は85.7%、女性(18~49歳)は89.3%といずれも9割近くの男女が結婚したいと思っているという。9割…?本当だろうか。

逆に「一生結婚するつもりはない」男性は12%、女性は8%のようだ。前回調査(2010年)では、男性9.4%、女性6.8%と増加傾向にあるようだ。

「いずれは結婚するつもり」の「いずれ」というのはいつのことか?

結婚する意志のある未婚者のうち、「ある程度の年齢までには結婚するつもり」と考える割合は、男性が55.2%、女性が59%。「理想的な相手が見つかるまでは結婚しなくてもかまわない」と答えた男性は42.9%、女性は39.2%となっている。

「理想的な相手が見つかるまでは結婚しなくてもかまわない」というのは、「何が何でも結婚したい!」というわけではないといえるだろう。そういう人は、結婚する意志のある9割のうち、男女とも4割のようだ。じゃっかんではあるが男性の方が多い。

また同調査では、「1年以内に結婚する意志があるか」も聞いている。

「いずれは結婚するつもり」と回答した未婚者のうち、1年以内に結婚する意志のある人は、男性が45.5%、女性が52.6%となっている。これは、「1年以内に結婚したい」と「理想的な相手が見つかれば(1年以内に)結婚してもよい」と回答した未婚者を合わせた割合である。

この「1年以内に結婚する意志のある未婚者」こそが、まあまあ本気で結婚したいと思っている人なのではないだろうか。(「調査・年齢別、1年以内に結婚する意志のある未婚者の割合(%)」の表を参照)ここではじゃっかん女性の方が多く、男女ともに約半数。

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拡大する(/mwimgs/e/7/-/img_e7eee95ad46e27f6a6d09eb77523463c7118.png)

調査・年齢別、1年以内に結婚する意志のある未婚者の割合(%)(国立社会保障・人口問題研究所の資料を参考に筆者作成)

「9割の男女が結婚したがっている」というと、え、本当に?と思ってしまうが、その半数と聞くと、まあ納得…という人も多いのではないだろうか。

そしてこの「1年以内に結婚する意志のある未婚者」の割合は、1987年の調査と比べると増加傾向にある。

婚姻率の減少の理由

とはいえ、婚姻率はゆるやかに減少している。(「婚姻件数と婚姻率」の表を参照)

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拡大する(/mwimgs/b/1/-/img_b1342491ac2bd2add9372f2899003c6f14430.png)

婚姻件数と婚姻率(厚生労働省の資料を参考に筆者作成)

結婚の意志がある未婚者に、「1年以内に結婚するとしたら何か障害になることがあるか」とたずねたところ、男性女性ともに「結婚資金」をあげた人がもっとも多かった。(男性43.3%、女性41.9%)
また女性においては「職業や仕事上の問題」も増加傾向にあり、仕事と結婚の両立を悩む女性が多いことがうかがえる。

女性は妊娠・出産をすることから、「結婚」を考える機会が多いといえる。その「結婚へのイメージ」は、「結婚する/しない」を決めるときに影響を与えているのだろうか。

未婚女性と有配偶女性の考え方の違い

未婚女性と有配偶女性の結婚や家族に関する考え方を比較すると、未婚女性の方が伝統的な考えをもっていることが分かっている。(「配偶関係別、伝統的な考えを支持する回答の割合(%)」の表を参照)

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拡大する(/mwimgs/b/b/-/img_bb91b2a78725a21b768faf4e1e1d9c1121483.png)

配偶関係別、伝統的な考えを支持する回答の割合(%)(国立社会保障・人口問題研究所の資料を参考に筆者作成)

もっともポイント差が大きい項目は「母親は家に」に賛成している割合だ。未婚女性は73%、有配偶女性は60.2%と約13%ポイント差もある。また「婚前交渉かまわない」に反対している割合は、未婚女性は14.8%、有配偶女性は6.1%と約9%ポイント差だ。

この他にも、「子どもは持つべき」に賛成、「離婚避けるべき」に賛成、「男は仕事より家族」に反対、「夫は仕事、妻は家」に賛成なども、約3%ポイントほど未婚女性の方が高い。

「伝統的な考え」とは、「結婚したら、男性が稼いで女性は家を守る」といった、結婚を機に生活が大きく変わる場合を想定しているということだろうか。女性の社会進出が進む現代では、この考え方でいると「結婚」は女性にとって大きな犠牲をともなうものとなってしまう。

…と、思いきや、「結婚に犠牲当然」に賛成している割合は、未婚女性が47.2%。有配偶女性が53.9%と有配偶女性の方が高い。未婚女性の中には、「結婚したら、男性が稼いで女性は家を守る」というライフスタイルが、女性にとって「犠牲」ではないと捉えている人が多いのかもしれない。

おわりに

上述の調査で、「生涯独身よくない」に賛成している割合は、未婚女性が58.2%、有配偶女性が52.5%と未婚女性の方が高い結果というのも印象的であった。

生涯未婚率は増加傾向にあるが、それでも「生涯独身よくない」と思う女性は半数以上いることと、実際に独身の人がそう思っている割合が高いというのは、「未婚」にネガティブなイメージがある人が多いのかもしれない。

「結婚」に「夢」を抱いていなくても、何となく精神的・経済的な安心感が得られる気がする…。しかし実際は、「結婚」により不安や悩みを抱えることも多いのだが…。

男性も女性も、「結婚」について1度は考えたことがあるだろう。今回は女性に絞って、その考え方を未婚/既婚で比較したが、未婚女性の方が伝統的な考えをもっていることが分かった。それが「結婚」のハードルを上げている原因の1つなのかもしれない。

【参考】
「第15回出生動向基本調査結果の概要」国立社会保障・人口問題研究所
「人口動態統計」厚生労働省

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