ポイント「還元率」「付与率」はどう違う?知らないと損するクレカ選びのポイント
LIMO / 2020年6月4日 19時15分

ポイント「還元率」「付与率」はどう違う?知らないと損するクレカ選びのポイント
2020年5月25日、新型コロナウイルス特別措置法に基づき発令された緊急事態宣言が、全国で解除されました。今後は感染拡大の第二波も想定に入れたうえで、さまざまな自粛要請が段階的に緩和されていくことになります。
今回の外出自粛生活をきっかけにインターネットショッピングなどの利用が増え、クレジットカードで決済をする機会が多くなったという人は多いのではないでしょうか。現金と比べてスピーディーで、ウイルス感染リスクが低いという点も注目されましたね。「予想以上にポイントがたまり、ちょっと得した気分」という人もいるかもしれません。今回は、クレジットカードとポイントについてのお話です。
キャッシュレス決済に移行するきっかけは?
まず、金融広報中央委員会が2019年3月に行った『金融リテラシー調査(https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/literacy_chosa/2019/)』から、みんなのキャッシュレス事情をみていきます。
キャッシュレス決済方法別の使用頻度
キャシュレス決済を月1回以上使用している人の割合
クレジットカード・・・73.7%
電子マネー(カード)・・・56.1%
スマートフォン決済・・・17.5%
デビット・カード・・・7.9%
さらに、キャッシュレス決済をいずれかを利用しない人(「ほぼ/全く使わない」、「そもそも保有していない」と答えた人の合計)に対して、今後利用を増やす動機を聞いたところ、「ポイント等特典がより大きくなる」(41.0%)、「より多くの店で使えるようになる」(23.2%)などが上位に挙がりました。やはり、クレジットカードを作るという時に『ポイント』を意識するという人は多いようです。
注目したいのは『還元率』
では、私たちがクレジットカードを選ぶとき、ポイントのどの部分をみて、「特典が大きい/小さい」と判断しているのでしょうか?実は、これには2つの基準があります。「ポイント付与率」と「ポイント還元率」です。
クレジットカード会社のホームページに多くみられる、「100円でもれなく1ポイントプレゼント!」といったキャッチコピー。ここから分かるのは「ポイント付与率」です。この場合、使った金額に対し1%分のポイントがもらえるということになります。
ポイントシステムの一番の魅力は、一定のポイントを集めると商品券や割引券、マイルなどに交換できるしくみでしょう。ここで注意したいのは、「ポイントの価値はカード会社によって異なる」という点です。たとえば、同じ1,000円の商品券に交換する場合、カード会社によっては7,000ポイント必要だったり、5,000ポイントで交換できたり、という差が出てきます。
つまり、ポイントでトクできるかどうかを判断するには「利用した額に対して付与されたポイントが、いくらに換算されるのか=「ポイント還元率」に注目する必要があります。クレジットカードを作る時に最も知っておきたいが、この「ポイント還元率」。ポイント還元率2%であれば、「1万円使ったら、200円に換算できるポイント」が付与される、という計算になりますね。
2020年6月現在、クレジットカードのポイント還元率は1~5パーセント程度。これはほんのわずかな差に見えるかもしれませんが、まさに「ちりも積もれば・・・」ですよね。「ポイント還元率」にはこだわっていきましょう。
QRコード決済の『還元率』にも注目
2019年10月の消費税増税に合わせてスタートしたキャッシュレス・消費者還元事業(https://cashless.go.jp/)※を機に、日々の買い物でキャッシュレス決済を選択するようになった人も多いのではないでしょうか。現金を出さなくてよいという手軽さから一気に普及したのが、ICカードを使った電子マネーとスマホを使ったQRコード決済(PayPay(https://paypay.ne.jp/)や楽天ペイ(https://pay.rakuten.co.jp/)など)です。
こちらも利用額に応じてポイントが付与されるしくみになっており、ほとんどがポイント還元率1~3パーセントに設定されています。紐付けするクレジットカード次第では、ポイント還元率が大幅アップとなることも。キャンペーンなどのお得情報もチェックしておきましょう。
※キャッシュレス・消費者還元事業(https://cashless.go.jp/):買い物の際にキャッシュレス決済を選択すると最大5パーセント分のポイント還元が受けられる制度。2020年6月末で終了します。
貯まるのはポイントだけではない!?
キャッシュレス決済に移行することで、「お金を使った実感が持てないため、ついつい使い過ぎてしまうのでは?」と不安に思う人もいると思います。そこで、ちょっと意外な調査結果をご紹介します。株式会社ジェーシービー(JCB)が2019年3月に実施した『キャッシュレスとデビットカード利用意向に関する実態調査2019(https://www.global.jcb/ja/press/news_file/file/chousa2019.pdf)』から、20歳~69歳の男女1,000 名が1年間で増やすことのできた貯蓄額の平均をみてみましょう。
1年間の貯蓄増加額の平均
全回答者平均・・・57.2万円
キャッシュレス派…83.2万円
現金派…34.2万円
新年度の貯蓄目標額の平均
全回答者平均・・・257.2万円
キャッシュレス派・・・325.4万円
現金派・・・178.3万円
「キャッシュレス派」は現金派より2.4倍も貯蓄を増やしていることが分かります。また、目標とする貯蓄額もキャッシュレス派の方が1.8倍も高いという結果がでています。
キャッシュレス決済は残高や使用履歴の確認が簡単なので、現金決済のときより出費の「見える化」が期待できそうです。そんなキャッシュレス決済を活用していくことでお金に対する感度が上がり、貯蓄への意欲に繋がっているのかもしれませんね。
まとめにかえて
クレジットカードを始めとする各種キャッシュレス決済、みなさんは上手に付き合えていますか?「怖い」「よく分からない」という理由だけで利用を避けてしまうのは、少しもったいないかもしれません。
行きつけのお店などで使いやすそうなキャッシュレス決済を、相性のよいクレジットカードと紐付けして、ポイント還元率アップを狙っていくのもよいかもしれませんね。各決済サービスのメリットをうまく活用できると、お金の流れを把握しやすくなり、貯蓄への意識に繋がることが期待できそうです。
【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。
【参考】
『金融リテラシー調査(2019年)(https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/literacy_chosa/2019/)』知るぽると 金融広報中央委員会
「キャッシュレス・消費者還元事業(https://cashless.go.jp/)」一般社団法人キャッシュレス推進協議会
PayPay(https://paypay.ne.jp/)
楽天ペイ(https://pay.rakuten.co.jp/)
『キャッシュレスとデビットカード利用意向に関する実態調査2019(https://www.global.jcb/ja/press/news_file/file/chousa2019.pdf)』株式会社ジェーシービー(JCB)
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