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「公的年金だけじゃ不安…」老後のお金、みんなはどう備えてる?

LIMO / 2020年7月19日 19時15分

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「公的年金だけじゃ不安…」老後のお金、みんなはどう備えてる?

2019年に金融庁の金融審議会・市場ワーキング・グループの報告書をきっかけに話題となった「老後2000万円問題」がまだ記憶に新しい、という人もいるでしょう。

「人生100年」ともいわれる時代がおとずれ、老後の生活資金の確保について不安視する声を多く聞きます。老後資金の準備には、個人年金保険や「iDeCo(イデコ)」などいくつかの選択肢があります。それぞれの特徴のメリット・デメリットを理解し、ご自身に合っている方法を選んでいきたいものですね。

個人年金保険に加入している人の割合は?

個人年金保険は保険会社が販売する生命保険の一種で、保険と年金の機能をもつ商品です。

受取り期間が5年・10年など一定期間の「有期年金」、終身にわたって年金を継続受給できる「終身年金」など様々な受取タイプを選べます。また、他の保険と同じように、保険料の「月払い」「半年払い」「年払い」のほか、全期を一括で支払う方法などもあります。

公益財団法人生命保険文化センターが実施した、「平成30年(2018年)度 生命保険に関する全国実態調査(https://www.jili.or.jp/research/report/pdf/h30zenkoku/p075-115.pdf)」による、個人年金保険の世帯加入率は全生保(かんぽ生命を含む「民保」、簡保、JA、全労済の合計)で21.7%(前回21.4%)であり、民保のみでは17.3%(前回16.7%)となっています。

また、直近加入契約(生命保険・個人年金保険:かんぽ生命をのぞく民保)の目的についても、「老後の生活資金のため」が10.8%(前回7.7%)となっており、老後の備えとしての加入につながっている様子が分かります。

また、同センターが実施した、「令和元年(2019年)度「生活保障に関する調査(https://www.jili.or.jp/research/report/pdf/r1hosho/2019honshi_all.pdf)」によると、老後の生活への備えとして一番多い回答(複数回答)は「公的年金」の86.7%で、次に「企業年金・退職金」が約41.9%。続いて、個人年金保険関連も大きな割合を占めていることが分かります。

公的年金…86.7%

企業年金・退職金…41.9%

個人年金保険…33.4%

変額個人年金保険…9.3%

損保の年金型商品…5.4%

生命保険…11.4%

預貯金…69.6%

老後も働いて得る収入…22.3%

年金保険関連は、個人年金保険・変額個人年金保険・損保の年金型商品の合計で48.1%。生命保険の11.4%も含めると6割近くになることが分かりました。ここで、個人年金保険のメリットとデメリットについて確認しておきましょう。

個人年金保険ってどんなもの?

多くの方が契約している個人年金保険ですが、どのような特徴やメリット・デメリットがあるのでしょうか。

個人年金保険は保険料を払い込むという契約の性格から、半ば強制的に貯めていくことができます。また、年金として支給されるまで資金を確保できるというメリットもあります。基本は生命保険なので、本人死亡時には家族が保険請求することもできます。保険料もまとめて払う場合は割安となりますので、このような点がメリットとして挙げられるでしょう。

デメリットとしては、途中で解約すると元本割れする可能性がある点や、銀行預金のように他の用途で利用できないという点、と考えられますね。

個人年金保険の運用には、将来の年金受け取り額が確定している「定額年金」と、株式や投資信託などの資産運用により受取額が増減する「変額年金」があります。運用する通貨についても「円建て」「外貨建て」などがありますが、現状としては決して返戻率が高くありません。

変額年金の中には、元本割れの傾向にある商品も見かけられます。また、契約期間も長期にわたるため、子育て時期や住宅ローン返済中などは、支払いが負担になることも考えられます。

あくまでも手段の一つとして十分検討した上で利用していくことが大切となるでしょう。

自分でつくる年金「iDeCo」

老後の生活資金に備えられる「iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)」は、年間上限額の範囲内で積み立てて運用し、60歳以降に年金または一時金で受け取る仕組みです。投資信託、定期預金や保険などの金融商品を自分で選択して運用します。

[1]iDeCo(イデコ)の特徴・メリット

資金を積み立てる「掛け金の拠出」は、年間上限額の範囲内で全額が所得控除の対象となり、所得税や住民税などの支払い負担が軽くなります。そして利息や運用益についても、通常であれば約20%の税金がかかりますが、iDeCoなら運用益に対する税金はかかりません。

さらに、年金を受け取るときも「退職所得控除」や「公的年金等控除」の対象となります。長期間にわたる税制優遇を活用できる資産形成制度として、2020年5月時点で加入者数は160万人を突破しています。(※1)

[2]iDeCoのデメリット

iDeCo(イデコ)のデメリットとしては、預入期間が最低でも10年が必要な点と、個人年金保険と同じように引出しが原則60歳以降となる点だといえます。また、あくまでも投資であるため確定年金ではない点を忘れないようにしましょう。

[3]iDeCo(イデコ)にはさらなる規制緩和が

税制面の優遇が取り揃えられているiDeCoですが、さらなる規制緩和(※2)が導入されています。現在は60歳未満となっている加入資格も、高齢期の就労者など一定の条件を満たす場合に65歳まで延長利用できるようになりました(2022年5月から)。年金受取り時期についても、現在は60歳から70歳の間の指定となっていますが(積立期間が短い人の場合は制限あり)、2022年4月からは75歳までの間で指定できるようになります。

(※1)iDeCo公式サイト(https://www.ideco-koushiki.jp/news/) 
(※2)2020年の主な法改正(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/kyoshutsu/2020kaisei.html)
受給開始時期の選択肢の拡大(2022年4月1日施行)
企業型DC・iDeCoの加入可能年齢の拡大(2022年5月1日施行)

まとめにかえて

老後資金を用意する方法としては、iDeCoを始めさまざまな選択肢があります。保険を貯蓄目的で利用する際は、他の保険契約とともに家計を圧迫し過ぎないよう、トータルで計画を立てていくことが重要となるでしょう。また、上述の「生活保障に関する調査」でも、老後の生活資金を賄う方法としては、「老後も働いて得る収入(22.3%)」を挙げる方が年々拡大しています。ライフプランを早めに立てて、老後の生活資金を早めに準備していくことが重要となりそうです。

■【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

【参照】
「直近加入の生命保険(個人年金保険を含む)(https://www.jili.or.jp/research/report/pdf/h30zenkoku/p075-115.pdf)」平成30年度 生命保険に関する全国実態調査 公益財団法人・生命保険文化センター
「令和元年度 生活保障に関する調査(https://www.jili.or.jp/research/report/pdf/r1hosho/2019honshi_all.pdf)」(令和元年12月発行)公益財団法人・生命保険文化センター
(※1)iDeCo公式サイト(https://www.ideco-koushiki.jp/news/)
(※2)2020年の主な法改正(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/kyoshutsu/2020kaisei.html) [受給開始時期の選択肢の拡大(2022年4月1日施行)][企業型DC・iDeCoの加入可能年齢の拡大(2022年5月1日施行)]

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