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進学費用の備え「月0円」が約3割。子どもの教育資金の実態

LIMO / 2021年4月8日 20時5分

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進学費用の備え「月0円」が約3割。子どもの教育資金の実態

ソニー生命が今年1月、大学生以下の子どもがいる20歳以上の男女1,000人を対象に実施した「子どもの教育資金に関する調査 2021」によると、子どもの学力や学歴は教育費次第だと考える親は約6割。自身の老後資金を犠牲にしても教育費に回したいと考える親も約6割いるそうです。

一方で、教育費に不安を感じる親が多いのも事実ではないでしょうか。2人の子どもがいる筆者も、2人分の教育費を考えると頭が痛くなる、というのが本音です。

同調査は今年で8回目ですが、2021年版はコロナ禍で生活や教育の環境が大きく変化した中での調査になっています。どのような内容になっているのか、コロナ禍の影響や教育資金に関する項目を中心に見てみましょう。

コロナ禍で子供の学力変化に明暗

まず、コロナ禍で子どもにどのような影響が出たかを聞いた結果は以下の通りです。

【子どもの自学自習時間】では、「増加」が52.2%(「非常にあてはまる」と「ややあてはまる」の合計、以下同)「減少」が47.8%。

【子どもの学力】では、「向上」が39.4%、「低下」が60.6%、

【子どもの自立心】では、「向上」が45.9%、「低下」が54.1%

半数を超える親が自学自習時間が増えたと回答していますが、肝心の学力はというと、約6割の親が学力は低下したと感じています。一方、学力が向上したと回答した親も約4割いるという結果で、明暗が分かれた形です。

子どもの進路の選択肢は狭まった

次に、教育全般に関する変化を聞いた結果を見てみます(図表1参照)。

【学校教育の重要性】では「上昇」が65.9%、「低下」が34.1%

【学校外教育の重要性】では「上昇」が65.8%、「低下」が34.2%

一斉休校を経験したことで、毎日子どもが学校で学習するルーティンの大切さを感じたのと同時に、家庭学習の大切さを認識した親も多かったようです。ただ、共働き世帯ではフォローの限界もあり、学校外教育をアウトソーシングする必要性も高まったといえるでしょう。

さらに、【子どもの進路の選択肢】では「増加」が32.7%、「減少」が67.3%と、約7割の親がコロナ禍で子供の進路の選択肢が減少したと感じています。

2020年度は、様々な説明会が中止、もしくはオンライン開催されることが多く、情報収集する機会は大幅に減少。さらに、景気の悪化によって進学や就職などの選択肢が狭まったというケースも増えたと考えられます。

図表1:学校教育・学校外教育の重要性、進路の選択肢について

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拡大する(/mwimgs/e/d/-/img_ed68d7a65541890055381761a80b5a4854811.jpg)

出所:「子どもの教育資金に関する調査 2021」(ソニー生命保険株式会社)

教育資金が「どのくらい必要となるかわからない」

子どもの将来への不安に関する設問のうち、【教育資金】に「不安を感じる」が73.9%と7割以上の親が子どもの教育にかかる費用に不安を感じているようです。

子どもの就学段階別では、「不安を感じる」と回答した割合が最も高かったのは、未就学児の親の76.6%でした。子どもの成長とともに親の感じる不安はわずかずつ減少していきますが、大学生の親でも67.9%が「不安を感じる」と答えています。

また、子どもの教育資金に不安を感じている人(n=739)にその理由を聞いたところ、最も多かったのは「教育資金がどのくらい必要となるかわからない」(56.3%)という理由でした。

続いて「収入の維持や増加に自信がない」(36.3%)、「収入が不安定」(26.9%)、「病気やケガで収入が途絶えるリスク」(17.5%)、「貯蓄が苦手」(16.4%)という結果になっています。

小学生から社会人までの平均予想費用は1,266万円に減少

さらに、コロナ禍における家計の悪化や雇用の先行き不安などが、親自身の教育資金に対する考え方にも影響を与えていることがわかる結果も出ています。

未就学児の親(n=248)に、子どもにかかる教育資金はいくらくらい必要だと思うかと聞いたところ、最も回答が多かったのは「1,000万円~1,400万円位」(36.2%)で、平均予想金額は1,266万円という結果になりました(図表2参照)。

平均予想金額の推移を見てみると、2018年1,348万円→2019年1,339万円→2020年1,381万円→2021年1,266万円と、2018年~2020年の高止まりから2021年は一転、115万円の減少となっています。

図表2:小学生から社会人になるまでに必要だと思う教育資金

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拡大する(/mwimgs/6/a/-/img_6aa21a0c9234d8b7dc3b7387f60a123083279.jpg)

出所:「子どもの教育資金に関する調査 2021」(ソニー生命保険株式会社)

3割弱の親が進学費用の備えができていない

高校生以下の子どもの親、または予備校生・浪人生の親(n=751)に、子どもの進学費用の備えとして、1人あたり毎月いくらくらい支出しているかを聞いたところ、最も回答が多かったのは「0円」(28.0%)。

続いて「10,000円~14,999円」(19.3%)、「20,000円~29,999円」(15.3%)、「30,000円以上」(14.8%)という回答となり、平均支出金額は月あたり14,189円でした(図表3参照)。

平均支出金額の推移は、2018年15,437万円→2019年17,474円→2020年15,776円→2021年14,189円で、2年連続で減少しており、コロナ禍の厳しい現実が窺える結果になっています。

図表3:進学費用の備えとして一人当たり月いくら支出をしているか

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拡大する(/mwimgs/b/9/-/img_b9fb879a1bda3b690c7e41bfc845e8ca81608.jpg)

出所:「子どもの教育資金に関する調査 2021」(ソニー生命保険株式会社)

おわりに

自身の老後資金を犠牲にしても、お金をかけたい教育資金。それほど子どもの教育を大切だと考えているにもかかわらず、新型コロナウイルスの影響によって教育資金の見直しを迫られている親は多いようです。

教育資金は、子どもの進路よって大きく金額が変わりますし、子どもの将来の夢や目標も成長とともに変わっていくでしょう。漠然とした不安を解消するために、まずは、おおよその教育資金を調べることから始めてみてはいかがでしょうか。

参考資料

子どもの教育資金に関する調査 2021(https://www.sonylife.co.jp/company/news/2020/nr_210302.html)(ソニー生命保険株式会社)

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