上司が見た「出世する人と出世できない人」どこで差がつくのか
LIMO / 2021年6月7日 19時35分
上司が見た「出世する人と出世できない人」どこで差がつくのか
世の中には、出世したいと思っている人と、そう思わない人がいます。働き方改革やコロナ禍による社会環境の変化で価値観が多様化する中、人によって思い描いているキャリアプランが異なるのは当然のこと。しかし「出世したいと思っても出世できない人」がいるのも現実です。
そこで今回は、出世する人と出世できない人はどこで差がつくのか、企業の管理職や役員をしている3人に話を聞いてみました。
自分の頭で考えられない人は出世できない
「自分の頭で考えられない人は出世できない」と口を開いたのは、あるIT企業で管理職をしている50代のAさん。Aさんの部下にも「自分の頭で考えられない人」がいて、その対応に苦労しているのだと言います。
「部下は上司の言うことを聞くのが仕事だと思っている人がいる。それも一理あるかもしれないが、それだけでは出世できない。上司からの指示をただ待つだけでは、何もできるようにならない。鳥と同じで、親鳥が持ってくる餌を食べているだけじゃなく、地面に落ちたり、敵に襲われそうになったりしながらなんとか飛べるようになるもの」と話します。
Aさんは部下に「この施策の効果検証をしてほしい」と伝えた際、「何の数字を取れば効果検証できますか?」と言われてガッカリしたのだそう。
「自分でやった施策なのに、効果検証できないってどういうこと? ある課題を解決するためにやった施策なはずなのに、その改善効果をどんな数字を取れば検証できるかわからないなんて、自分の頭では何も考えていなくて、『やれ』と言われたことだけやっていたんだなと思った」と嘆いていました。
仕事以外でのコミュニケーションがカギ
金融機関で働く役員の50代Bさんは、「アピール上手であることと、仕事以外の場でコミュニケーションが取れていれば仕事がそこまでできなくてもある程度は出世できる。逆にどんなに仕事ができても、その2つが全くできていなければ出世は難しい」と言います。
Bさんの会社にはサークルや同好会があるそうで、そこへの積極参加もポイントになるのだそう。
「同好会やサークルには役員や管理職も多く参加している。仕事では接点がない人とも繋がりが持てる。そこで名前を売っておけば、会議でちょっと名前が挙がっただけで誰だかわかってもらえるし、『アイツ、仕事でもしっかりやっているんだな』と思ってもらえる」とのこと。
”出世するためにはアピールが必要”とは言われますが、Bさんが強調するのは仕事の場以外でのアピールでした。「仕事の場ではライバルが本当に多い。周囲も必死にアピールしようとするから、その中で抜きん出ていなければ評価してもらえない」と続けるBさん。
「でも、仕事以外、特に同好会やサークルの場だと共通の趣味があって話しやすいし、スポーツだと一緒に体を動かしながら世間話でも仕事の話でもなんでもできる。もちろん最低限のマナーは必要だけれど、意外とざっくばらんに話せて仲良くなれる」とのことでした。
「つまり、比較的楽にある程度の効果が見込めるということ。飲み会でも同じことが言える。飲み会やサークル活動がニガテと言う人は仕事でアピールすればいいし、サークルや飲み会が苦にならないなら、仕事の場以外でアピールするのもいいのでは?」と話してくれました。
評価されるかどうかを左右する「報連相」
「社会人の基本として叩き込まれる『報連相』は、実は自分にとってもメリットがある」と話すのは、メーカーで管理職をしている40代のCさんです。
「報連相は社会人の基本と言われるから何となく面倒な感じに思えるけど、実は自分が恩恵を受ける部分も大きい。上司は部下が思っている以上に、部下一人ひとりの働きぶりを見ていないから」と話します。
部下からすれば、管理職が自分の働きぶりを見ていないと言われるとガッカリしてしまうでしょう。ですが、上司にも上司の仕事があり、部下をマネジメントすることばかりに時間をかけられるわけではないと言います。
「正直、こちらも印象で評価することもある。『あの人はxxのプロジェクトをよくやってくれていたな』とか『あの人はあの施策でしっかり成果を出してくれたな』というふうに、評価をする際にはその人から受けた報告や相談を思い出す」のだそう。
「だから、こまめに相談していれば上司の印象にも残るし、報告もきっちり数字を出して伝えると上司の頭の中で仕事と担当者が結びつく。報連相が自分のプラスになるというのは、そういうこと。逆にどんなに仕事をしていても、報連相ができていないと陰で働くことになり、上司の目には入らない」と教えてくれました。
おわりに
上司も人間ですから、部下を評価する際、完全に公平に評価するというのは難しいはず。人間関係に左右される面もあるでしょうから、積極的にコミュニケーションを取っていると評価が変わるかもしれません。コミュニケーションを面倒に感じる人もいるかもしれませんが、機会を見つけて試してみてもいいのではないでしょうか。
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