長生きしたいなら貯金はするな! なぜ貯金頼みでは損してしまうのか
LIMO / 2021年9月20日 18時45分
長生きしたいなら貯金はするな! なぜ貯金頼みでは損してしまうのか
今回は、貯金をするとお金が減ってしまう、そんなテーマのお話です。
今の日本は人生100年時代と言われていますが、長生きをすればするほど、生きるために必要なお金は多くなっていきます。一方でデスクワークの大半はAIに取って代わられると言われていますし、年を取れば肉体労働もできなくなります。
加えて、恐らく今の中年層は支払った分の半分程度の年金しか受け取ることができないでしょう。なぜなら、年金の受け取り開始年齢は70歳、75歳・・・と、どんどん引き上がっていくことが予想されているからです。
最近はコロナ禍による将来不安から多くの方が投資に興味を持ち始めていますが、それもごく自然な流れであると思います。そこで今回は「投資に興味はあるけれど、最初の一歩を踏み出せない・・・」という方のために、
貯金をしているとなぜお金が減ってしまうのか
なぜ今すぐ投資を始めるべきなのか
その理由を具体的に解説したいと思います。本記事をご覧いただけば、今すぐ投資を始めるべき理由がわかるようになります。ぜひ最後までご覧ください。
貯金をするとお金が減ってしまう最大の理由
初めに、貯金をするとお金が減ってしまう最大の理由を解説していきましょう。
資産を確実に守ることができる手段として、貯金を思い浮かべる方は比較的多いのではないでしょうか。しかし、貯金も実はれっきとした投資の1つなのです。このことを認識できていない方が日本には非常に多いと感じます。
そして、今の日本の銀行で貯金をするのは、“確実にお金が減る”という点で全くもって損な投資だと言えるのです。なぜなら、貯金をATMなどで引き出すと手数料が引かれてしまうからです。
たとえば、三井住友銀行の普通口座の金利は現在0.001%で、10年物の定期預金ですら0.002%です(2021年9月10日現在)。これは普通預金に100万円を預けても、年間で10円しか利息がつかないということになります。定期預金でも年間でたった20円の利息です。笑ってしまうほど低いですね。
一方、コンビニのATMでお金を引き出すと最低110円の手数料がかかってしまいますから、普通預金に100万円を預けているとしたら、差し引きで100円のマイナスになってしまいます。
しかも、ATMの手数料は2021年4月から値上げされています。一例として三菱UFJ銀行は、2021年4月からローソンのATM手数料(平日8:45〜18:00)を110円から220円に値上げしています。なんと2倍です!
さらに、平日の時間外や土・日・祝日の手数料は330円にまで跳ね上がりました。三井住友銀行も同じような手数料体系に値上げされているなど、ATM手数料は上昇傾向なのです。
もちろん、手数料を無料にする方法はあります。仮に新生銀行でゴールドやプラチナのステージになれば、コンビニの引き出し手数料が0円になったりもします。しかし、そのステージに上がるためには、ゴールドでも預け入れ総資産の月間平均残高が200万円以上等とハードルはぐっと高くなります。
では、普通預金にメリットは一切ないのでしょうか? 実はそんなことはありません。
普通預金のメリットには、お金を安全に保管できるという点があるでしょう。また、クレジットカードの決済口座として利用できるという点もありますし、いつでもATMでお金を下ろせるという便利さもあると思います。
ただ、それ以外のメリットは特にありませんし、超低金利時代の今は銀行預金でお金を増やすことは一切できませんから、生活費以外のお金はたとえ定期預金であっても銀行の口座に預けるのは賢明ではないと思います。
貯金は円に一極集中の”ハイリスク投資”
次に、貯金は円に一極集中のハイリスク投資であるという点について解説していきたいと思います。
貯金をするとお金が減ってしまうもう1つの理由は、インフレになるとお金の価値が減ってしまうことにあります。銀行に財産を日本円で貯金しているということは、日本という国を一点買いしているのと同じことなのです。
たとえば、為替で日本円が暴落すればダイレクトに損害を被ってしまいます。直接的にはあまり実感できないかもしれませんが、もしドル円で円安になったとすると、輸入する原材料の価格が上がり、ジワジワと物価が上昇してしまいます。
身近な例として、輸入小麦の値段が上がったケースを考えてみましょう。輸入小麦の値段が上がってパンの値段が100円から110円になったとしたら、100万円の貯金が90万円の価値になったのと同じことになるのです。
もちろん、物価が上がった分、収入も上がれば良いですが、日本人の給料は下がり続けているのが現実です。OECDのデータを基に全労連が作成した国際比較によると、1997年=100とした場合の2016年の実質賃金指数は、オーストラリア131.8、ドイツ116.3、アメリカ115.3など。対して日本は89.7です。
こんな状況ですから、もしもインフレになって物価が上がった場合、貯金だけしていると貧乏まっしぐらというわけです。
ちなみこれは余談ですが、コロナ前の2019年の年間来日外国人数は3000万人を超えていました。これを日本人は喜んでいましたが、来日外国人が増えた理由は日本が30年間もデフレだったおかげで世界から見たら物価が安かったからです。
日本がデフレのまま給料が上がらないのに対し、外国はインフレで徐々に給料が上がっていたわけですから、外国人からすれば日本という国がバーゲンセール状態のようなもので、その安さを享受しに日本観光に来ていたという側面が大きいのです。
とはいえ、今後は政策的にもインフレ傾向になっていくはずです。そのため、貯金だけで円に一極集中という偏った資産管理をしていると、最悪のケースでは戦後のようなインフレが再来し、円が紙切れ同然になって資産がゼロになってしまうリスクもあるわけです。
おわりに
以上、貯金をするとお金が減ってしまう理由についてお話ししました。投資も何もせず、資産を全て日本円で貯金しておくことがいかにハイリスク・ローリターンであるか、おわかりいただけたでしょうか。
じゃあどうすればいいの? このように思われた方もいらっしゃるかもしれません。そこで次回は、大切なお金をどこに置いておけば良いのか、はたまた、どんな投資をすれば資産を守ることができるのかについて解説したいと思います。どうぞお楽しみに。
参考資料
提携先コンビニATM利用手数料の一部改定のお知らせ(https://www.bk.mufg.jp/info/pdf/20210108_atm_tesuuryou.pdf)(三菱UFJ銀行)
実質賃金指数の推移の国際比較(https://www.zenroren.gr.jp/jp/housei/data/2018/180221_02.pdf)(全国労働組合総連合)
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