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【老人ホーム】年金ひと月6万円「元自営業78歳の父が認知症」国民年金だけで入れる施設はありますか?要介護3です

LIMO / 2024年1月1日 7時30分

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【老人ホーム】年金ひと月6万円「元自営業78歳の父が認知症」国民年金だけで入れる施設はありますか?要介護3です

年末年始の帰省時に、介護や終活について家族で話す予定がある人も多いはず。

親の老人ホーム入居を考えている方のなかには「どのくらいのお金がかかるのだろうか」「年金だけで費用がまかなえるのか心配」と、費用面を心配する方も少なくないでしょう。

今回、夏子さん(仮名・40代)から筆者に寄せられたご相談も「老人ホームの費用」に関するお悩みです。話を聞いてみましょう。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

認知症の父(要介護3)「月6万円の年金で入れる老人ホームを探しています」

metamorworks/shutterstock.com

夏子さんからの相談

78歳の父は、2年前から認知症の症状があり、要介護3の認定を受けています。

父には、できるだけ長く住み慣れた自宅で過ごさせてあげたいのですが、近頃は食事や排泄、入浴など日常生活のほとんどに介助が必要となり、家族の負担が限界に近づいています。

今後は、老人ホームへの入居を検討していますが、元自営業の父の年金はひと月に約6万円。それ以外の収入もなく、きょうだいで費用を工面することも難しい状況です。

老人ホームに入居する場合、どのくらいの費用がかかるのでしょうか?また、国民年金だけで入居できる施設はあるのでしょうか?

筆者からの回答「そろそろ施設入所のタイミングですね。国民年金だけで入れる介護施設を探しましょう」

認知症が進行して家族の介護負担が大きくなってきたら、施設入居を考えるタイミングですね。

国民年金だけが収入源の方の場合、選択肢は狭くなりますが、入居できる施設はいくつかあります。

今回は、老人ホームの入居にかかる費用や年金額が少ない方におすすめの介護施設を紹介していきます。

老人ホームでかかる費用

takasu/shutterstock.com

老人ホームに入居する際の費用は、契約時に支払う「初期費用(入居一時金)」と毎月支払う「月額費用」の2種類があります。

そのほかにも食費や医療費、日常生活費などの費用もかかりますので、年金で無理なく費用を支払える施設を選ぶことが大切です。

さらに、高齢者向け施設には地方公共団体や社会福祉法人が運営する「公的施設」と民間企業が運営する「民間施設」の2種類があり、どちらを選ぶかによって費用が大きく異なることも覚えておきましょう。

以下では、公的施設と民間施設の費用相場をまとめました。

【老人ホーム】施設のタイプ別 費用の目安

出所:各種資料をもとに筆者作成

公的施設【費用の目安一覧】

特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院、ケアハウス

特別養護老人ホーム」

初期費用の相場 0円

月額費用の相場 5〜15万円

介護老人保健施設

初期費用の相場 0円

月額費用の相場 8〜14万円

介護医療院

初期費用の相場 0円

月額費用の相場 9〜17万円

ケアハウス

初期費用の相場 数十万〜数百万円

月額費用の相場 10〜30万円

民間施設【費用の目安一覧】

介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、グループホーム

介護付き有料老人ホーム初期費用の相場 0〜数百万円

月額費用の相場 15〜30万円

住宅型有料老人ホーム

初期費用の相場 0〜数百万円

月額費用の相場 15〜30万円

サービス付き高齢者向け住宅

初期費用の相場 0〜数十万円

月額費用の相場 10〜30万円

グループホーム

初期費用の相場 0〜数十万円

月額費用の相場 15〜20万円

上記から、公的施設の方が、民間施設より比較的安い費用で入居できることがわかります。

経済的な負担が少ない「介護保険施設」がおすすめ

相談者のケースのように「要介護3で認知症がある」「年金がひと月6万円だけ」という方には、公的施設のなかでも「介護保険施設」への入居をおすすめします。

介護保険施設とは、介護保険サービスで利用できる特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院の3施設を指します。

介護保険施設は、認知症の方も入所可能です。また、入所時に前払いする「入居一時金」が必要なく、入所者が負担する費用は、毎月の利用料のみです。おむつ代も利用料に含まれているので、経済的な負担が少なく、民間施設よりも安い費用で利用できます。

さらに、介護保険施設では、住民税非課税世帯など所得の少ない方に対するさまざまな負担軽減制度が用意されているので、費用面に不安がある方でも入所しやすいという利点があります。

介護保険施設3施設の特徴

candy candy/shutterstock.com

次に、3つの介護保険施設の特徴を紹介していきます。合わせてメリット・デメリットも見ていきましょう。

特別養護老人ホーム(特養)

寝たきりや認知症で日常生活の介助が必要な65歳以上(原則、要介護3以上)が対象。24時間体制で介護サービスが受けられる。

特別養護老人ホームのメリット

入居一時金が不要で、月額費用が安く抑えられる

「終の棲家」として終身利用が可能

低所得者に対する負担軽減制度が利用できる

特別養護老人ホームのデメリット

入居希望者が多いため、待機期間が数年に及ぶこともある

医療依存度の高い人は入居を断られる場合がある

家族と同居する人は入所の優先度が低い傾向がある(一人暮らしが優先)

介護老人保健施設(老健)

病院の退院後など、在宅復帰を目指す65歳以上(要介護1以上)が対象。リハビリや医療ケアが受けられる。

介護老人保健施設のメリット

在宅復帰を目指してリハビリや医療ケアが受けられる

要介護1から入所可能

低所得者に対する負担軽減制度が利用できる

介護老人保健施設のデメリット

入居期間が限定される

生活支援サービスやレクリエーションが少ない

介護医療院

長期療養が必要な65歳以上(要介護1以上)が対象。医療と介護の両方のサービスが受けられる。

介護医療院のメリット

手厚い医療ケアが受けられる

リハビリが充実している

ターミナルケアに対応している

低所得者に対する負担軽減制度が利用できる

介護医療院のデメリット

費用が高め

個室が少ない

施設の数が少ない

入居の申し込みはお早めに

ここまでにご紹介した3つの介護保険施設のなかでも、とくに「特別養護老人ホーム」は、入居希望者が多く、自宅での生活が困難になったタイミングで申し込みをしてもすぐに入れないのが実情です。

厚生労働省によると2022年4月時点で、特別養護老人ホームの入所を待つ人は、全国で約25万3000人いると報告されています。(※申込者のうち、要介護3以上の人)

また、特養の平均待機期間は2〜3年とも言われています。

そのため、特別養護老人ホームを入居先の第一希望とするのであれば、早めに申込むことをおすすめします。

また、民間施設であっても、評判の施設は満室で入れないという場合も少なくないため、施設入居については、できるだけ早く検討を始めましょう。

高齢の親がいる方は、この年末年始に親子・きょうだいで集まった際に、一度話し合ってみてはいかがでしょうか?

参考資料

厚生労働省「介護サービス情報公表システム」(https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/)

厚生労働省「特別養護老人ホームの入所申込者の状況(令和4年度)」(https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000157884_00004.html)

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