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【老人ホーム】認知症84歳父の施設が決まり安堵も「入居後、退去勧告が来たら困る……」実際どうなの?【教えて、ケアマネ!】

LIMO / 2024年2月12日 7時30分

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【老人ホーム】認知症84歳父の施設が決まり安堵も「入居後、退去勧告が来たら困る……」実際どうなの?【教えて、ケアマネ!】

【一覧表】老人ホームから「退去を求められる可能性がある」4つのケースとは?

53歳サラリーマン男性、専業主婦の妻と二人の子どもがいます。同居中の実父(84歳・要介護3)の認知症の症状が悪化してきまして……。

連日の「物盗られ妄想」「徘徊」「暴言」などの問題行動で、妻が体調を崩し心療内科を受診する事態に。急いで民間の介護付き有料老人ホームへの入所を決めました。

でも、入居後症状が悪化し退去勧告を受けたらどうしようと不安です。頑固で怒りやすく、足腰は元気。在宅介護ができるとは到底思えません……。

いったん入所した老人ホームを追い出されることがあると知り合いから聞いて気が気ではありません。実際どうなんでしょう。

ケアマネジャーの筆者のもとに、こんなお悩みが寄せられました。

有料老人ホーム入所後に認知症の症状が進行し、退去を求められることに不安に感じておられるのですね。

老人ホームでは契約書に定められた退去事由に該当する場合、退去を求められることがあります。しかし、すぐに退去を求められるケースはほとんどありません。

退去勧告を受けた場合でも、90日程度の猶予期間が設けられていることが一般的です。

今回の記事では、老人ホームで退去を求められるケースや万一、退去を求められた場合の対応方法について解説していきます。

老人ホームは必ずしも「終の棲家」ではない

「老人ホームに入居したら、最期まで介護してほしい」これはご家族の本音だと思います。「自宅介護が難しいから施設入居したのに、退去なんて考えられない」そう思われるのも当然です。

しかし老人ホームも万能ではありません。

老人ホームでは、他利用者への迷惑行為があったり高度な医療が必要になったりした場合、通常の介護では対応できず退去を求められることがあるのです。

これらの退去条件については、契約時に施設側が詳しく説明する義務があります。入居の際には、入居契約書や重要事項説明書についての説明を必ず受けましょう。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

【一覧表】老人ホームから「退去を求められる可能性がある」4つのケース

【一覧表】老人ホームから「退去を求められる可能性がある」4つのケース

出所:LIMO編集部作成

ここでは、老人ホームの入居後に退去を求められる可能性のあるケース4つについて紹介します。

ケース1 他の利用者への迷惑行為

老人ホームでは、他の利用者やスタッフへの暴言・暴力、大声や奇声を発するなどの行為が継続する場合、退去を求められる可能性があります。

利用者の安全や安心を守ることは、施設の義務です。スタッフがどれだけ努力しても通常の介護では対応できないと判断された場合には、退去の勧告を受ける可能性があります。

暴言などの原因は、認知症の症状であることも考えられます。スタッフの対応で、ある程度は緩和することも可能ですが、主治医へ相談し服薬内容の検討や環境調整など根本的な解決策を検討する必要があるかもしれません。

認知症の症状については、入居前に詳細を伝えておくことをお勧めします。

また環境の変化がストレスになっている可能性も。

ご家族が定期的に面会に出向くことで、ストレスを軽減することが可能です。細かく様子を見て、些細なことでもスタッフと情報を共有することで、大きな問題が発生するのを防げるでしょう。

ケース2 継続的な医療行為が必要になった

継続的に医療行為が必要になった場合も、老人ホームの医療体制では対応できないと判断され退去を求められる可能性があります。

一般的に有料老人ホームには「協力医療機関」があり、同じ敷地内に病院が併設されていることも珍しくありません。普段から往診や体調不良時の対応が可能なので安心です。

ただし24時間体制での点滴など高度な医療対応が必要となった場合には、退去を求められるケースも。

老人ホームの医療体制は施設により大きく異なるため、契約前にどの程度の医療行為に対応してもらえるか確認しておきましょう。

ケース3 長期入院することになった

長期入院しなければならない場合も、退去を求められる可能性があります。

一般的には、3カ月程度の入院期間を設定している施設が多いです。ただし施設に復帰できる可能性があれば期間延長して待ってくれるケースも。

懸念されるのは、入院中も家賃や管理費の支払いが発生するため、入院費用と重なり本人や家族にとって経済的な負担が大きくなることです。

退院の見込みがつかない場合には、老人ホームに愛着があって戻りたい気持ちがあっても、退去せざるを得ない状況に追い込まれる可能性もあります。

ケース4 支払いを滞納している

家賃などの支払いを滞納した場合も、退去勧告の対象となります。

一度の滞納ですぐに退去となるわけではありませんが、施設からの催促にもかかわらず支払いが行われない場合は、連帯保証人などへ連絡されます。

多くの場合、契約書には「〇カ月滞納した場合は、退去の対象になる」といった条項が記載されています。

【老人ホーム】退去を避けるために行うべきこと

老人ホーム「退去勧告を避けるために」できることとは?

Shining Pro/shutterstock.com

ここでは老人ホームに入居する前と後の段階に分けて、退去を避けるためにできることを解説します。

入居前にしておくこと

今回のご相談では、お父様の認知症進行による退去への不安をお持ちとのことでした。入居前の面談では、「実際に退去となったケース」について詳しく質問されることをお勧めします。

認知症への対応は、施設によって大きく異なります。妄想や幻覚などが原因で退去になった事例がある場合には、施設の選択を慎重に検討する必要があるでしょう。

入居してからするべきこと

入居後も、お父様と定期的に面会を行うことをお勧めします。家族の面会は、お父様の状況を把握し不安や不満を解消する貴重な機会です。

コミュニケーションは、お父様のストレス軽減にもつながります。またコロナウイルスなどで面会制限がある場合には、オンライン面会を活用する方法も。

また施設スタッフとのコミュニケーションも重要です。お互いの要望や意見を伝えることで、信頼関係を築けます。

またお父様が不安定な時に、家族が面会したり外出支援するなど協力的な姿勢を見せることで、施設側も可能な限りのサポートを提供してくれるでしょう。

万一、退去になった場合

万一、退去勧告を受けても90日程度の猶予期間があることが一般的です。

利用中の老人ホームが、次の施設や病院を探すために協力してくれるケースも多くあります。それでも、どうしても見つからない場合は、ショートステイをつないで施設入居や入院できるのを待つことも可能です。

また入居一時金など前払い金を支払っている場合は、入居期間によって未償却分が返還されます。返還金の計算方式は施設によって異なるので、契約前に確認しておきましょう。

まとめにかえて

認知症介護の辛さは、未来が見通せないことにあると言えるでしょう。

「この状態がいつまで続くのだろう」「これからどうなるのだろう」と、不安を抱えるのは当然のことです。

そんな時は、主治医やケアマネジャー、施設スタッフなどの専門家に相談しましょう。介護保険制度は家族を支援するための制度でもあります。

決して一人で抱え込まずに、解決方法を一緒に探していきましょう。

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