パラジウムの1,000ドル越えは持続可能か? ほか先週の振り返り
トウシル / 2017年11月28日 16時0分
パラジウムの1,000ドル越えは持続可能か? ほか先週の振り返り
パラジウムの1000ドル超えは持続可能か?
2017年11月27日(月)掲載分より
先々週は1,294ドルとこれまでのレンジの上限を超えて終わり、先週は1,300ドルへのトライがあるのか注目されましたが、オープニングレベルとなった1,294ドルが高値となり、残念ながら1,300ドルへの動きはありませんでした。
米国のThanksgiving(感謝祭) 、そして日本の勤労感謝の日が重なり、動意が薄いマーケットとなりました。
水曜日に発表された10月のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録は若干ハト派な内容と受け取られました。12月の金利上げは、もはやマーケットに織り込み済みとなっている中、インフレ率の低い状態が長続きするというFRB(米連邦準備制度理事会)の慎重な見方は、3月の再利上げの可能性が低くなったという観測を補強し、ゴールドにとっては強材料として受け取られています。ゴールドの強気派は、今後年末のFOMC後のゴールドの上昇を予想している投資家が増えてきています。ゴールドのレンジも若干上がりつつあり、FOMCまでは静かながらも、しっかりした動きを予想します。
ジンバブエのムガベ大統領の失脚で、南アフリカランドが14ランド台に下落していますが、プラチナは堅調です。隣国の独裁者の失脚は、ランドが下落してもプラチナにとっては強い材料となっているのでしょうか。
パラジウムはやはり1,000ドル以上では売りたい向きがまだいるようです。ただ大きく下げるわけでもなく、そろそろロングの投資家の利食いも利食いたい人は利食ったということになるのではないでしょうか。NYMEX(ニューヨーク・マーカンタイル取引所)の投資家ロングポジションは依然として高いレベルにありますが、現在のファンダメンタルズと高止まりしているリースレートを考えると、これくらいがいわゆる「根雪」ポジションなのかもしれません。
ゴールド再び1,300ドルに近づく
2017年11月24日(金)掲載分より
日本の勤労感謝の日と米国のThanksgivingでした。22日のロンドン、ニューヨークではドルが下げてゴールドが上昇、1,290ドルを超えたところで、FOMC議事録の公開を迎え、その内容がインフレの低さへの懸念も含んでいたことから、その後に1,294ドル前まで上昇、そこで頭を打ってその後は23日、日本、米国の休日で動きに乏しいマーケットになりました。
米国はLong weekendとしているトレーダーが多く、おそらくこのまま週末を迎えそうです。
またレンジの上限近辺での終わり。強気と弱気が1,280ドルで拮抗(きっこう)していると先日書きましたが、ドル安のためにゴールド買い圧力が若干優位となっています。
パラジウムはふたたび1,000ドルを超えて上値トライ。NYMEXロングの投資家が今回はどう動くか。ここまでずいぶんと1,000ドル超えの利食いはマーケットに吸収されてきているので、そろそろもう一段の高値を目指すかもしれません。
Happy Thanksgiving Day!
2017年11月22日(水)掲載分より
昨日もまたレンジの中での小動きとなりました。ニューヨークでは一時1,285ドル手前まで戻しましたが、引けはアジアとほぼ変わらない1,280ドル前後、NYダウが160ドルも上がったわりにはしっかりといえます。相変わらずのレンジ内での動き。やはりFOMCまで続きそうですね。
明日23日木曜日が日本は勤労感謝の日ですが、米国はThanksgiving Holidayとなるため、FOMC議事録や失業保険申請件数、耐久財受注といった経済指標は今日まとめて発表されます。
経済指標は日本時間今晩の10時半、FOMC議事録は明日の朝4時です。経済指標で今晩のニューヨークでまた動きがあるかもしれませんが、このレンジは抜けそうにないようです。これだけガチガチに上も下も固められると。マーケットにもベアとブルが同じくらいの割合でいるようです。1,265ドルを割ってゴールドは下落するというベアと1,300ドルを超えて上昇するというブル。この1,280ドル近辺はその均衡が保たれている場所というところでしょうか。
金曜日の上げ帳消し
2017年11月21日(火)掲載分より
もうほとんどお約束となった突発的なニューヨークでの大きな動き。昨日もまたそれが起こりました。アジア・欧州の時間帯ではまったく動きがありませんでしたが、ニューヨークでほぼ20ドルに近い下げとなりました。金曜日に上げた20ドルをそのまま飛んだ形です。
米経済指標がドルを上昇させたこと、原油が下がったこと、そして金曜日のニューヨークでの上げから、昨日のアジア・欧州ではまったくその買いが続かなかったこと……などがその要因と見られます。やはり大きくレンジをブレイクすることかなわず、また逆戻りです。
金曜日にゴールドとともに上昇したシルバー、プラチナは同じように下落。金曜日大きくは上げなかったパラジウムは下げも少なめでした。しかしまた1,000ドルで頭を打った形になりました。
(池水 雄一)
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