ポンド、回復の見込みなし?ブレグジットは視界ゼロ
トウシル / 2019年5月23日 9時29分
ポンド、回復の見込みなし?ブレグジットは視界ゼロ
本日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは110.95円
↓下値メドは109.80円
今朝の天気マークは「くもり」
※天気の判定基準は記事末尾にあります
それでもドルを買うのが一番か
米中貿易摩擦はさらにエスカレートしています。米国はファーウェイに続き、新たに中国の監視カメラ会社大手のハイクビジョンをブラックリストにのせました。交渉も中断されたままのようで、ムニューシン財務長官は「北京を訪問する予定はない」と述べています。米株市場が下落するなかでドルを積極的に買う状況ではないですが、かといってドルの代わりにユーロやポンドを買うのはもっといけないように思います。詳しくは「今日の注目通貨(ドル/円)」をご覧ください
メイ首相首相の辞任は、今週でなければ来週という瀬戸際まできています。「2回目の国民投票実施」というニュースでポンドが上昇したのは一瞬で、すぐに下げ足を強めたポンド/円はフラッシュクラッシュ以来の安値に迫っています。今日から欧州議会選の投票が始まります。詳しくは「今日の注目通貨(ポンド)」をご覧ください。
今日はドイツを中心に欧州の経済指標が多く発表されます。またECB(欧州中央銀行)議事録も注目。発表スケジュールについては「今日発表の重要指標」をご覧下さい。
毎ヨミ!FXトップニュース(5月22日)
22日ドル/円のNY市場の終値は110.35円
21日の終値に比べ0.13円のドル安/円高だったので、今朝の天気マークは「くもり」です。
各国・各通貨トピックス
ドル:
ムニューシン財務長官「今のところ、中国を訪問する予定はない」
ナイキ、アディダスなどがトランプ米大統領に訴え「貿易戦争止めて」
FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録「多くのメンバーはインフレの低下は一時的との認識」
FOMC議事録「当面は辛抱強い政策が適切」
FOMC議事録「保有債券の残存期間の短縮について議論」
NY原油先物:
原油は474.0万バレルの積み増し=EIA石油在庫統計
円:
トヨタ、トランプ大統領の「輸入車制限」政策に反発
4月の貿易黒字は9割減少。中国向け輸出が不振
日本の製造業、中国の現地生産に慎重。1割が縮小を計画
首都圏のマンション市場、売れ残りの実数が危険な水準に
ユーロ:
イタリア検察が野村HDの資産540億円差し押さえ。同国銀行の損失隠しに加担か
ドイツ連銀月報「ドイツの賃金上昇に力強さ」「第2四半期は景気が改善」
ポンド:
2回目の国民投票は、「離脱協定案の採択」とセット
英失業率上昇も? 英有名シェフのレストランが経営破たんで約1,000人が失職
豪ドル:
RBA、6月に0.50%利下げか
トルコリラ:
リラ下落。トルコ中銀がスワップレートを25.5%から24%へ引き下げ
南アランド:
南ア議会、ラマポーザ氏を大統領に再選出 就任式は25日
新内閣でムボウェニ財務相は留任。 市場は好感
主要指標終値
本日の注目通貨
ドル/円:トランプ大統領、支持率を気にする?
トランプ大統領は、中国への攻撃を強める一方で、日欧に対しては自動車の追加関税を半年延期すると発表。カナダとメキシコに対しては鉄鋼とアルミニウムの追加関税を撤廃することで合意しました。
中国側に(今のところ)譲歩する様子はなく、米中貿易協議が長期戦になりそうで(中国は米国との交渉中止を示唆)、トランプ政権としては、これ以上「敵」を増やすのは得策ではないと、トランプ政権は同盟国に対して柔軟な政策を提示しているようです。
米中貿易摩擦の再燃を米産業界は批判。株価も下落してトランプ大統領の支持率は下降しています。実は、トランプ大統領の政策と支持率は相関関係があるようで、支持率が高いときには強硬姿勢ですが支持率が下がりはじめると、とたんに軟化するといわれています。トランプ大統領が何をしたいかといえば、貿易戦争ではなくて、2020年の大統領選で勝つことです。
ポンド/円:メイ首相はもって今月いっぱい?
22日(水曜日)の海外市場で、メイ首相当日辞任の噂が流れてポンド/円は一時139.31円まで下落。メイ首相の次の党首はガチガチのハードブレグジット派であるボリス・ジョンソン氏が有力であること、総選挙の実施ということになれば、政治的混乱はさらに長引きそう。これまで続いてきたブレグジット交渉をゼロから始めることを考えるとポンド売りに傾くのはしかたありません。交渉をすぐに終わらせる選択肢もありますが、それは「ノーディール・ブレグジット(合意なき離脱)」ということになります。
そこでメイ首相は、2回目の国民投票実施を英議会に提案しました(21日)。ところが内容を見ると「EU離脱協定案を採択する」ことが条件となっています。EU(欧州連合)残留派を味方につけると同時に、合意なき離脱も回避するというメイ首相の苦肉の策。当然のことながら、各派ともすぐに賛成というわけにいかず、ポンドの上昇も一瞬でした。
トレード前に必ずチェック!今日発表の重要指標!
23日:ECB議事録、ドイツGDP(国民総生産)、ドイツIFO(景況感指数)、欧州PMI(購買担当者指数)、南ア政策金利など
◎天気の判定基準とは?
天気マークを見るだけで、ドル高で引けたのか、それともドル安で引けたか、ひと目で確認することができます。
・「晴れ」
当日の終値が、前日の終値に比べて0.20円を超えるドル高/円安だった場合は、「晴れ」の天気マークを表示します。
・「雨」
反対に、終値が0.20円を超えるドル安/円高だった場合は、「雨」の天気マークを表示します。
・「くもり」
終値が上下0.20円の範囲にあった場合は「曇り」のマークを表示します。
※天気マークは、前日の終値との比較を示したもので、今日のマーケットの方向を予想するものではありませんので、ご注意ください。
※ちなみに2018年は、「晴れ」80日、「雨」82日、「くもり」98日 でした。
また、2018年は延べで43.33円上昇、延べで46.41円下落。差引3.08円の円高(2017年末に比べて)でした。
(荒地 潤)
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