中国の配車サービス滴滴出行(ディディ)が上場。その実力は?
トウシル / 2021年7月6日 4時0分
中国の配車サービス滴滴出行(ディディ)が上場。その実力は?
6月末にかけてIPO(新規公開株)が相次いだ米国株式市場。当社では、ディディ(DIDI)やセンチネルワン(S)の取り扱いを開始しています。※最新の取り扱い銘柄一覧は以下でご確認ください。
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/foreign/us/ipo/
今回はそのなかでも注目度の高かった滴滴出行(ディディ)(DIDI)についてみていきます。
ディディは中国の配車サービス最大手です。6月30日にADRとして米国市場に上場し、調達規模は中国企業としてアリババに次ぐ大規模案件となりました。
株価は初日にIPO価格の14ドル近くまで下がる局面がありましたが、2日目は持ち直しています。
<ディディの株価推移>
事業内容について競合のウーバー・テクノロジーズと比べると、総取扱高や海外の売上高構成比はウーバーのほうが高く、ディディは15カ国前後に進出してはいるものの、規模ではウーバーが先を行く状況です。
ディディをフォローしているアナリストはブルームバーグ上でまだ2名しかおらず、市場のコンセンサスは今後変化する可能性がありますが、トップラインの成長期待も今のところウーバーのほうが高いです。
<ウーバーとディディの業績比較>
バリュエーションはウーバーと比べると低いですが、これは現時点での成長期待水準が相対的に低いこと、それに加えてディディ独自のリスクが織り込まれている状況でしょう。
足元では、中国当局が反トラスト法違反の疑いでディディを調査していると報道されており、中国政府による規制が独特のリスクと言えます。7月4日には、ユーザーの個人データを違法に収集して利用しているという理由で、遂に、中国政府がアプリストア内の同社アプリの提供を禁止しました。
株価が一段と上昇するには、市場の期待を上回る高い成長率を発揮する必要があります。ディディは目論見書の中で電気自動車と自動運転車の市場拡大について述べており、今後、次世代車を積極的に活用してシェアリングサービスの差別化を図る可能性があります。
中国は電気自動車、自動運転車の開発が活発な地域であり、かつ人口が多いことから、ディディにはウーバーにはない資源を保有している状態とも言えます。
このポジションを利用して、先進国に先んじて新しいサービスを拡大することができれば、投資家からの成長期待が高まる可能性があります。
(松村 梨加)
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