バルミューダ、スマホ撤退でも失速続く苦しい背景 主犯は「すべて」、キッチン関連でも大きく後退
東洋経済オンライン / 2023年11月15日 11時20分
2021年11月にスマートフォン市場に参入するも、2023年5月に撤退を発表したバルミューダ。これで業績も持ち直す……と思いきや、11月10日に発表された最新決算では、他部門の苦戦も浮き彫りになりました。
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バルミューダの決算報告
先日、家電メーカーであるバルミューダが2023年12月期(第3四半期)の決算報告をした。その内容が、かなりの業績の下方修正を伴うものだった。まずは、第3四半期の状況を前年と比較して見てみよう。
●売上高:79億5500万円←前年同期は124億9300万円
●経常利益:▲10億2900万円(経常損失)←前年同期は7400万円
このとおり、売上高が大幅に減少。さらに経常利益は出ておらず、経常損失となってしまっている。
さらに売上総利益(粗利益)は前年同期の33.2%から30.0%と悪化。また、販管費率も前年同期の32.0%から44.4%と大幅に悪化した。なお、貸借対照表で現金の減り具合を見てみると次のとおりだ。
●現金及び預金:8億4400万円←前年同期は12億4600万円
また、今回の発表を受けて、通年の予想も修正せざるをえなかった。表にまとめた。
全体的に悪化している。これだけ大幅な売上高の減少があると、利益の確保は難しい。
ところで、その売上高の減少の主犯はいるのだろうか。
業績悪化を因数分解してみると…
そこで次に製品別の内訳を見てみたい。
ここで衝撃的だったのはキッチン関連カテゴリであってすら、大幅な減少になっていたことだ。77億円の売上が、53億円になっている。空調も29億円が17億円。主犯はあえていうと「すべて」だ。一律に減少しており、想像以上の苦戦がわかる。
さらに、この傾向はビジネス地域を見ても同様だ。全面的に主要地域では減少している。
なお同社は、日本と韓国で多くの収益を上げていると知られている。さらに北米のマーケットに力を入れている。もともと売上高が少なかった北米は、円安の関係もあって収益を一桁台パーセントの減少でとどまっている。
しかし、日本だけの傾向ではなく、韓国の約60%の減少がかなり目立つ。
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