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「自由にやってきた40~50代」に何も残らない理由 地味でも自分に「軸」を持ち人とつながろう

東洋経済オンライン / 2023年11月16日 9時0分

さらに今の社会を難しくしているのが、それぞれの分野で専門性が高まっていることです。SNSで少し専門的な分野について意見を言おうものなら、その道の専門家や研究者がたちどころに現れ、詳しく意見を言ったり反論したりします。したがって、ある分野の知識をどこまで深めるかは見極めが難しいのです。

とはいえ、これからはジェネラリストではなくスペシャリストが求められる時代であることは間違いありません。今の若い人は管理職になりたがらないという話を耳にしますが、気持ちはわかります。残業手当がつかなくなるという金銭的な理由もありますが、何より管理職というマネージャーになっても得られる知見がないですから。

私の知り合いで、広告デザイナーとして転職を繰り返し、キャリアを積んできた女性がいます。最初は広告制作会社でデザインの基礎を学んでいましたが、10年ほどして、全体の中の広告の位置づけを知りたいとメーカーの広告制作部署に転職しました。さらに最先端のアドテックを学びたいとテック系の広告会社に行き、今ではデジタルメディアについて勉強を続けています。

彼女は、管理職の仕事が来ると断ります。でも、時代の変化をつねにキャッチアップしているから40代になっても転職できるし、若手が出てきても恐るるに足らず。余人をもって代えがたい知識とキャリアを身につけているのです。

最近では、管理職の専門家を外から招くスタートアップの話もよく聞きます。事業が軌道に乗り従業員が増えると、それをマネジメントする人が必要になり、その道の専門家に来てもらうというわけです。Googleはその典型でしょう。創業者はラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンの2人ですが、のちにエリック・シュミットという著名な経営者にCEOとして入ってもらいました。

管理職=偉い、という時代でもなくなりました。昭和の時代の管理職といえば、年功序列で偉くなり、ひたすら書類にハンコを押すというイメージでした。平成の時代は、部下に厳しいノルマを課して叱咤激励。

令和の時代はそのどちらでもなく、チームの力をより引き出し、人間関係の調和を図ることが求められています。これも一つの専門職です。広い意味でのコミュニティマネジメントと言ってもいいでしょう。AI時代に生き残る可能性の高い仕事でもあると思います。

自分の中に「軸」を持とう

コミュニティマネジメントは、人生100年時代に必要な能力の一つです。ライフ・シフトといっても、いきなりステージを変えるのはそう簡単ではありません。昭和の営業マンがある日突然、DXができるようにはなりません。ただ、自分の中で軸を持って対人関係を築いていくことは、スムーズな移行を助けます。

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