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「自由にやってきた40~50代」に何も残らない理由 地味でも自分に「軸」を持ち人とつながろう

東洋経済オンライン / 2023年11月16日 9時0分

最短ルートでなくても、どういう道筋を歩んでいくのかをつねに考えておくこと。そのためにも「軸」は必要でしょう。これは意識的に行わないとできません。漫然と生きないことです。

「自由であること」は幸せか?

長い100年人生、自由に生きていいと言われても、戸惑う人は多いと思います。自由に価値を感じられるのは、不自由な時代を知っているからこそ。恋愛はまさにそうでしょう。自由恋愛が楽しかったのは昭和の頃までで、今では単に恋愛強者が恋人を作るだけだという非モテ論争が長く続いていますよね。

自由な恋愛は楽しくない。いっそお見合いのほうがいい。なぜなら結婚相手に多少不満があっても、自分が決めた相手ではないから我慢もできる。

自由恋愛で結婚した場合、相手を否定したら、その相手を選んだ自分をも否定することになってしまいます。自由には自己責任が伴うわけです。

1990年代半ばの就職氷河期を経て、2000年代には非正規雇用が圧倒的に増えました。この頃、ホリエモンや勝間和代氏がメディアを賑わせ、自由に生きて金を稼げばいいという考えが一世を風靡しました。

その頃の若者は、今では40代〜50代です。自由にやってきたけど、何も残らなかったというのが現状ではないでしょうか。何かのサロンで自己啓発に励むより、地味だけどいかに平穏な生活を維持できるかのほうが重要だという方向に、日本のフェーズが変わっていっていると私は思っています。

今求められているのは、成功とか成長より、持続性ということです。それはライフ・シフトの思想と反するどころか、むしろ一致しています。たとえば今、経済的自立と早期リタイアを意味するFIREがブームですが、本当に幸せなのでしょうか。FIREで人生を終えた人はまだいないので、その後の長い人生をどう生きたか、それは幸せだったのか、まだ感想は聞けません。

その前のネットバブルで成功してFIRE的な人生を送っている人はどうかというと、過去の栄光を自慢するだけで、正直あまり幸せそうではありません。すると人間は、本質的に社会と関わっていること、何らかの形で貢献していることに生きている喜びがあるのではないでしょうか。どんなに人生が長くなっても、持続して社会と関わりを持ち続ける人生のほうが幸せなのではないかと思います。

大事なのは、継続して人と関わること

社会と関わるとは、人と関わるということです。詰まるところ、より良き100年人生とは人間関係に集約されるのではないでしょうか。お金は食べていく分があればいい。車を何台も持っていたって、乗るのは1台だけです。

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