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仕事多くて悩む人に伝えたい、頭を切り替える極意 「認知的柔軟性」を鍛えるエクササイズも伝授

東洋経済オンライン / 2023年11月28日 17時0分

マルチタスクが増える中、切り替える力を身につける方法を伝授します(写真:ワタコ/PIXTA)

「柔軟なマインドセットを身につければ、大きな変化に直面してもうまく切り抜けられるようになる」と指摘するのが、認知心理学者・神経科学者のエレーヌ・フォックス氏です。今回は「思考を切り替える方法」についてフォックス氏が解説します。

※本稿はフォックス氏の著書『SWITCHCRAFT(スイッチクラフト) 切り替える力 すばやく変化に気づき、最適に対応するための人生戦略』から一部抜粋・再構成したものです。

すばやく柔軟に対応する能力を高めるメリット

あるタスクから別のタスクへと頭を切り替えるプロセスは、脳の深部で進行する。そして、心理学者が言う「メンタル・セッティング」を変えていく。

【図で理解】自分の柔軟性をはかるテスト

例えば水を一口飲むとき、グラスをもちあげるのが意識を向ける1つのセッティング(思考)で、グラスを唇のほうに近づけるのが次のセッティング、そして水を口に含んで飲み込むのがまた別のセッティングだ。

脳の処理プロセスにおいて、1つの動作をスムーズにおこなうには、1つのメンタル・セッティングから次のセッティングへの切り替えが必要となる。すばやく柔軟に対応する能力を高めれば、スムーズに行動できるようになるうえ、慣れ親しんだものから新しいものへと考え方も変えやすくなる。

まずは「タスクを切り替える」能力について見ていこう。

7~11歳のころに、メンタル・セッティングを切り替える能力(1つのタスクから別のタスクへと切り替える能力)は自然に発達する。この能力が発達しているかどうかを試すには、イラストが描かれたカードを子どもに分類してもらうといい。

例えば動物とお菓子のイラストが青色か黄色で描かれているカードがあるとしよう。大半の7歳の子は、カードを「黄色」と「青色」、または「動物」と「お菓子」に楽々と分けることができるだろう。

だが、「青色の動物」と「黄色のお菓子」のように、メンタル・セッティングを切り替えるように言われると苦労する。それまで種類や色だけで分類していたタスクを組み合わせて分類するのは難しいからだ。この分類も11歳を迎えるころになると、たいてい簡単にできるようになる。

日常生活を送るうえでも欠かせない

「タスクを切り替える」能力(心理学者が言う「タスク・スイッチ」)は日常生活を送るうえでも欠かせない。

例をあげれば、あるエンジニアが、「男性」の場合も「女性」の場合もあるという考え方を受け入れるには、タスクを切り替える能力とよく似た思考プロセスが必要となる。複数の研究によれば、このような思考の切り替えが得意な子どもは、人間を判断するうえでステレオタイプな考え方をしにくく、読解力などの能力も高いことがわかっている。

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