新NISAで気をつけたい長期投資に向かない投信 セールストークに惑わされないためには
東洋経済オンライン / 2023年11月29日 16時0分
ましてや、高額分配といって、非常に高い分配金を支払う投資信託は、全くもって長期投資に不向きだと考えます。
高い分配金を提示されると、何となく有利な運用を期待してしまいがちですが、実は決してそのようなことはないのです。高額分配は長期投資に適さないと認識してください。
BRICsやNEXT11、VISTA、MENAといった言葉を聞いたことがある人も少なくないと思います。
BRICsはブラジル、ロシア、インド、中国の頭文字を取った造語です。NEXT11はイラン、インドネシア、エジプト、トルコ、ナイジェリア、パキスタン、バングラデシュ、フィリピン、ベトナム、メキシコ、韓国の11カ国を指しています。VISTAはベトナム、インドネシア、南アフリカ、トルコ、アルゼンチンの5カ国。MENAは中東(Middle East)と北アフリカ(North Africa)の頭文字を取った造語です。
いずれも現在はまだ経済規模がそれほど大きくありませんが、まさに今、成長の途上にあり、高い経済成長率が期待されるとともに、なかには、人口が多いことからGDPがやがて日本を抜いていくだろうといわれている国もあります(中国はすでに抜いています)。
「高い成長率が期待される国ばかりなので、この手の国の企業に投資すれば、高いリターンが期待できるはず」という期待感から、過去においてさまざまな新興国投資信託が設定・運用されてきました。
確かに、新興国投資信託のなかには、過去、非常に高い運用成果を上げたものもあるのは事実です。
新興国投信にリスクは?
しかし新興国は、高い経済成長が期待できる反面、経済基盤がかなり脆弱です。なかには政情不安な国もあります。ある日突然、マーケットが閉鎖されることもあります。実際、2022年2月にロシアがウクライナに侵攻した時、ロシアルーブルやロシア企業の株価は大暴落しました。
日本の投資信託会社でも数社がロシア企業に投資する投資信託を設定・運用していましたが、売買停止に追い込まれるなど、その運用成績は今、悲惨な状態にあります。もちろん、ロシアによるウクライナ侵攻など、そう頻繁に起こるような出来事ではありませんが、このように運用成績の大暴落につながるような出来事が生じやすいのも、新興国投資のリスクです。
大暴落があったとしても、「長期的に経済が成長するなら、そのまま持ち続けることで、いずれリターンが得られるのではないか」という考え方もありますし、実際にそうなるのかもしれませんが、問題はこのような状況に直面した時、投資信託の運用を継続できるのかということです。大きく値下がりした新興国ファンドは、その過程で大量の解約が発生して、まともな運用が困難になるケースがあったというのがこれまでの実態だと知っておいてください。
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