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外国人が日本酒の「獺祭」こぞって買い求める背景 ニューヨーク・ヤンキースのスポンサーにも

東洋経済オンライン / 2023年11月29日 14時0分

外国人人気が高い獺祭(写真:旭酒造提供)

外国人から根強い人気を誇る日本酒。その人気に火を付けた“立役者”がいる。それは「獺祭」で有名な山口県岩国市にある旭酒造だ。

【写真】NYで発売されている「DASSAI BLUE」

旭酒造は、2018年4月にエリゼ宮やエルメス本店などがあるパリ8区のフォーブル・サントノレ通りに「獺祭 ジョエル・ロブション」をオープン(2022年にクローズ)。

美食の名声をほしいままにしているジョエル・ロブション氏(故人)が旭酒造とコラボレーションしたということで、大きなニュースとなった。これを機に、「獺祭」の名前も世界に知れ渡ったといえるだろう。

ニューヨーク・ヤンキースのスポンサーにも

直近では2022年からは「アジアのベストレストラン50」で、日本から唯一のスポンサーとして協賛し、美食の発展に努めている。メジャーリーグベースボール(MLB)のニューヨーク・ヤンキースと2022年度および2023年度のスポンサー契約を締結したことも特筆すべきことだろう。

また2023年9月には、ニューヨーク州ハイドパークに最先端の酒蔵とテイスティングルームをオープンし、現地で「DASSAI BLUE」の販売を開始。「パリ獺祭の会」「モナコ獺祭パーティー」「台湾獺祭の会」「シンガポール獺祭の会」と、世界中で「獺祭」を認知してもらうための活動も行っている。

まさに世界に日本酒を広めるための活動に尽力しているといっていいだろう。

とはいえ、最初からすべてがうまくいっていたわけではなかった。

旭酒造の代表取締役社長であり、4代目蔵元である桜井一宏氏は「私が旭酒造に入社した2006年頃、獺祭が地元で売れないので試行錯誤していました。会社を引き継いだ父は、山口が売れないならとほかの地域にアプローチしていましたが、大阪、広島、福岡もうまくいきません。そんな中で、東京の市場である程度の足掛かりができ、そこで生き残ることに必死でした」と当時を振り返る。

なかなか売れずに苦戦していた中で、重視したのが高付加価値だ。

「それまでは品質よりも営業力が大切で、獺祭は普通酒として地元で販売することがメインでしたが、高品質、高付加価値を重要視するようになりました。結果的に山田錦の大吟醸に特化するスタイルに徐々に変わっていき、これがお酒にこだわりのある方を中心に受け入れていただきました。東京での成功体験をもとにして、次は海外の大都市部に目を向け、ニューヨーク、パリ、香港へと進出していきました」(桜井氏)

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