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ゼンショー「最大500億円増資」で破竹の勢い続くか 日本初の外食ジャイアントの海外戦略とは?

東洋経済オンライン / 2023年11月30日 7時40分

上記のとおり好調だった。通期の決算報告も対前年比で順調に伸びている。

・売上高:9600億円(前年同期比+23.1%)
・経常利益:480億円(前年同期比+70.9%)

なお、まだとくに日本ではコロナ禍が完全に収束していないなか、ロシア・ウクライナ戦争の長期化、イスラエル・ハマス戦争の不透明さ……等による原材料価格の高止まりなど、外食産業全体としては、明るいニュースばかりではない。

しかし、そのなかで世界に展開するゼンショーホールディングスは善戦している。

各セグメントを前年比売上高で見てみると下記となる。

・グローバルすき家:118.1%、
・グローバルはま寿司:110.2%、
・グローバルファストフード:114.1%


・レストラン:126.4%、

ほぼ一様に上昇している。また、店舗数はフランチャイズを含むが、1万4740店(!)となっている。

同社のチェーン店舗数内訳

ちなみに、これは意外に知られていないが、同グループは「すき家」のイメージが強い。なるほど、「すき家」は国内外を含めて2623店舗と多い。

ただ、もっと大半を占めるのが「グローバルファストフード」であり、このカテゴリには、Advanced Fresh Concepts Corp(寿司のテイクアウト店)、Sushi Circle Gastronomie GmbH(寿司チェーン)、SnowFox Topco Limited(寿司のテイクアウト店)が含まれており、国内外で1万0130店舗を誇る。寿司店のM&Aでシナジーを発揮する戦略がよくわかる。

日本人のイメージは「すき家」の牛丼かもしれないが、外形的には寿司チェーンといったほうが近いほど、多数のグローバル寿司チェーンを展開している。

同社は、MMD(マス・マーチャンダイジング・システム)と呼ぶ方式を採用している。これはサプライチェーンの上流から下流までを一貫して担い、さらに、その物量の多さで価格メリットも出そうというものだ。

商品の企画とテスト、原材料の調達・物流、加工から販売からカスタマー管理までを手掛ける。このMMDは、なるほど、拡大とともにその力を増していく。そのため、昨今は大型のM&Aを続けているのだろう。

新株式発行による資金のプール

そして、この流れのなかで発表されたのが、ゼンショーホールディングスの「新株式発行及び株式売出しに関するお知らせ」だ。実に、これからも積極的なM&Aを仕掛けていく姿勢が見れてすがすがしい。

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