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勝負は3秒!そそる仕掛けで歩きスマホは減るか あっと驚く、ついつい見てしまう仕掛け3選

東洋経済オンライン / 2023年12月2日 10時20分

歩きスマホ対策総選挙(著者撮影)

強制ではなく、人が自然に動く。そして誰も損しない。仕掛けのアイデアで、お金や労力をかけずとも問題解決する。その積み重ねが、社会を確実にいい方向に変えていく。そんなシンプルなコンセプトを掲げる学問が「仕掛学」だ。

アメリカや韓国、台湾、中国など世界で広く読まれ、10万部を突破した『仕掛学:人を動かすアイデアのつくり方』のアップデート版にあたる『実践仕掛学:問題解決につながるアイデアのつくり方』を上梓した大阪大学大学院経済学研究科教授の松村真宏氏が、事例をまじえながら仕掛学のエッセンスについて語る。

間違い探しポスター

サイゼリヤのキッズメニューには間違い探しがついている。これが結構面白くて、筆者も行くたびについやってしまう。

【写真】思わず見入ってしまう、間違い探しポスター

普段なかなか見てもらえないポスターでも、間違い探しになっていれば見てもらえるようになるかもしれない。問題は、そもそも間違い探しになっていることに気づいてもらえないことだろう。

そこで、ポスターにボタンを設置し、ボタンを押すと「ポスターの間違いを探すのじゃ」と音声が流れる仕掛けポスターを当時のゼミ生たちと考案した。ボタンがあると気になってつい押してしまい、ボタンを押すと音声が流れて間違い探しになっていることに気づいてくれることを期待した。

ポスターは大阪大学経済学部松村ゼミと石橋商店街が主催するイベント「第14回ゑびす男選び@阪大坂」を告知する内容にし、イベント日時の元号を令和ではなく「昭和」に間違えたものを製作した。

2019年12月11日(水)、12日(木)、16日(月)、18日(水)に実際に石橋商店街にA0サイズのポスターを設置して実験を行った。その結果、ボタンがないときにポスターを2秒以上見た人は総通行人数のうち4.3%(4051人中173人)、注視時間は平均2.9秒であったが、ボタンを設置すると見た人は7.2%(3560人中256人)、注視時間は平均8.1秒になった。また、ボタンを押した人の注視時間はさらに27秒長くなった。

ほとんどの人はポスターに目を向けないし、目を向けたとしても3秒程度しか見ない。ポスターに限らず仕掛けを設置したときも、この3秒が勝負になると考えている。

3秒ルール

3秒以内に興味を持ってもらうためには、見た瞬間に興味を引きつけることが重要になる。バスケットゴールのついたゴミ箱が通行人の興味を引くのは、多くの人が体育の授業などでバスケットボールで遊んで楽しかった記憶があるからである。バスケットゴールを見た瞬間にそのときの楽しかった記憶が想起されるので、やってみたいという気にさせる。

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