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「歩きスマホ」の習慣がもたらす想像以上の悪影響 人にぶつかるだけでは済まない「深刻な事態」も

東洋経済オンライン / 2024年5月10日 11時0分

スマホの使い過ぎがもたらす悪影響は、視力の低下だけにとどまらないという(写真:つむぎ/PIXTA)

視力が落ちる、目が疲れる、乾く、かすむ……いずれもスマホの使いすぎによる弊害としてよく知られたものですが、眼科専門医の松岡俊行氏によれば「実はスマホの本当の怖さは別にある」といいます。現代人の生活にとって欠かせない必須アイテム=スマホがもたらす意外な悪影響とは、いったいどんなものなのでしょうか。

*本稿は松岡氏の著書『スマホアイ 眼科専門医が教える目と脳と体を守る方法』から一部抜粋・再構成しています。

歩きスマホで人にぶつかりそうになる理由とは?

駅や街中で「歩きスマホ」をしている人をよく見かけます。みなさんも、よくないとわかっていながら、仕事でどうしても見なければいけないなど、ついやってしまうことがありますよね。

【イラスト】歩きスマホをしているときの驚きの「視野の狭さ」とは

なかには、スマホでメールやニュースを読みながら歩いていると、突然目の前に人が現れてうっかりぶつかりそうになる……そんな経験がある人もいるのではないでしょうか。

このとき、あなたの目のピントはスマホの小さな画面に合っています。すると周囲が視界に入っていても、実は認識されていないことがあります。単に注意が散漫になるだけでなく、視界に入っても認識できない、つまり周囲が”見えていない”状態になるのです。

このような視野の狭窄は「スマホ視野」ともいわれ、愛知工科大学の小塚一宏名誉教授によれば「画面を凝視している状態では視野の95%が失われる」という実験結果もあるそうです。

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そもそも、ものが「見える」のは、目に映ったものを脳が認識しているからです。

ところが視界の中心にある対象物だけを凝視していると、脳は「周りは見なくていいや」と判断します。周辺視野の視細胞は機能していて、脳へ刺激が伝わっているにもかかわらず、認識しなくなるのです。

怖いのは、ずっとスマホの画面ばかり見ていると中心ばかりに注意が向けられ、周辺視野の刺激を感じないように脳が調教されてしまうようなこと。幼いころからスマホの画面を凝視することに慣れてしまっている場合は、周辺視野に注意を向けるための経験が不足したまま成長していくことになります。

その結果、本来は広いはずの視野が狭まり、視界の中心しか認識できないスマホ仕様の目になってしまうのです。

「運動が苦手」は視野が原因のことも

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